スズメバチとの誤解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 20:44 UTC 版)
本種は大型ゆえにしばしば危険なハチだと解されることがあり、スズメバチとの混同がさらなる誤解を招いている。スズメバチのことを「クマンバチ(熊蜂)」と呼ぶことがあり、これが誤解の原因のひとつと考えられる。花粉を集めるクマバチが全身を軟らかい毛で覆われているのに対し、虫を狩るスズメバチ類はほとんど無毛か粗い毛が生えるのみであり、体色も大型スズメバチの黄色と黒の縞とはまったく異なるため、外見上で取り違えることはまずない。 ハチ類の特徴的な「ブーン」という羽音は、我々にとって「刺すハチ」を想像する危険音として記憶しやすく、特にスズメバチの羽音とクマバチの羽音は良く似た低音であるため、同様に危険なハチとして扱われやすい。 かつて、児童文学作品の『みつばちマーヤの冒険』において、蜜蜂の国を攻撃するクマンバチの絵がクマバチになっていたものがあったり、『昆虫物語 みなしごハッチ』のエピソード(第32話)で略奪を尽くす集団・熊王らがクマバチであった。少なくとも日本において、ミツバチのような社会性の巣を集団で襲撃するのは肉食性のスズメバチ(特にオオスズメバチ)であり、花粉や蜜のみ食べるクマバチにはそのような習性はない。童話の中であれば、ミツバチとは仲良しと扱われてもおかしくはない。このように、本種が凶暴で攻撃的な種であるとの誤解が多分に広まってしまっており、修正はなかなか困難な様子である。
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