ジェームズ・バートンとは? わかりやすく解説

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ジェームズ・バートン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/10 15:30 UTC 版)

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ジェームズ・バートン

ジェームズ・バートン(James Burton, 1939年8月21日 - )は、アメリカギタリストルイジアナ州のミンデンの生まれ。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第20位、2011年の改訂版では第19位。

プロフィール

幼い頃からギターに触れ、ルイジアナ・ヘイライドを目指すようになる。

10代中ごろからプロのギタリストとして活動を始め、1957年にデール・ホーキンスが発表した「スージーQ」で一躍注目される。この時、まだ18歳であった。特徴的なギター・リフもジェームズが考えたもので、ほとんどの部分をバートンが作曲したと言ってもよい。

その後、ボブ・ルーマンと組んだが、その公演でリッキー・ネルソンの目に留まり、ネルソンのバンドで活躍する。ネルソン宅に1年間ほど居候したこともあるほど個人的にも仲がよかったが、次第に「ネルソンばっかりは嫌だ」として、バンドを脱退。その代わりにジョー・オズボーンを後任として紹介した。

その後、エルヴィス・プレスリーのTCBバンド・リーダーに任命され、1969年から1977年までのエルヴィスのステージのリード・ギターを勤めた。エルヴィスはジェームズに他のメンバーの人選も任せたため、ジェームズはセッション仲間であるジェリー・シェフ(ベース)やグレン・ハーディンピアノ)を推薦した。ただし、1969年のステージではピアノはラリー・マホーバラックだった。エルヴィスからは「最もすごいギタリストの1人」と評されている。TCBバンドはステージ専用であったが、ジェームズのみスタジオ録音にも参加した。このエルヴィス中心の活動の合間にジョニ・ミッチェルの『バラにおくる』(1972年)、グラム・パーソンズの『GP』(1973年)及び『グリーヴァス・エンジェル』(1974年)といった作品へのセッション参加などの仕事をした。

エルヴィスとスタジオにいた時、バートンはフェンダー社が「使って欲しい」と送ってきたギターを開封していた。その中にジョージ・ハリスンが使った事で有名なオール・ローズ・テレキャスターがあった。ジェームズは重くて音も気に入らなかったが、エルヴィスがそれを見て「すごく立派なギターだな」と感心した。ジェームズが手渡すとエルヴィスもあまりの重さに驚愕したという。ジェームズはフェンダーに断ると、エルヴィスに進呈すると言ったが、エルヴィスもこれを断った。さらにチップ・ヤングに譲ろうとしたが、チップもこれを断った。

エルヴィスの死後はジョン・デンバーエルヴィス・コステロ等と組んで活動した。

現在でも「エルヴィス・イン・コンサート」で、エルヴィスの歌に合わせて70年のオリジナル・メンバーたちと演奏を続けている。

現在、バートンが使用しているのは3ピックアップの「ジェームズ・バートン・テレキャスター」である。一般のテレキャスターと違い、リア・ピックアップはブリッジ・プレートにマウントされず、すべてボディに直接取り付けられている。そのため、ブリッジ・プレートはオリジナルの形状となっており、ピックアップは金属製ではなく、樹脂製のカバーが取り付けられている。ブラック&ゴールド・ペイズリー、ファイヤー・ペイズリーなど、ペイズリー柄を奇抜にアレンジした塗装である。ボディにはスワンプ・アッシュやバスウッドなど軽い材が使われている。

特徴

  • ミスター・テレキャスターとの異名を持つ、テレキャスター使い。
  • バンジョー用の金属製のフィンガー・ピックを用いて演奏するチキン・ピッキングを得意とする。
  • 他にペダル・スティール・ギターそっくりの音色や回路を改造してテレキャスターらしからぬ音色など様々なスタイルを持っている。
  • エルヴィス・プレスリーのバンド参加時(69年コンサート)はアップル・レッドの53年製テレキャスターを使っていたが、70年にペイズリー柄のギターを使い始める。フェンダーから供与されたこのギターを見たプレスリーが「とてもかっこいいギターじゃないか。毎晩そのギターで演奏してくれよ」と気に入ったことから以後、愛用するようになった。ペイズリー・テレキャスターは2年間の限定生産であり、ジェームズが使っていたのは69年製だったが、ジェームズはこれを数十本所有しており、中には半分だけ赤く塗ったものもある。
  • 前述の通り、ステージでは69年ペイズリーを使用していたが、スタジオでは常に53年テレキャスターを使用していた。
  • ドブロが得意でミスター・ドブロとも呼ばれている。
  • ライトゲージ弦を実用化していたアーニー・ボール社が、3弦に問題を抱えていたフェンダー・ギター用に、細い弦の開発をフェンダー社へ提案(却下)したことにより、バートンがフェンダーギター向けライトゲージの開発に関与することになる。ジェームズはチョーキングを多用するためにそれまではワウンド弦であった3弦をプレーン弦に変えた。これによりチョーキングを容易にし、すばらしいリフを残した。
  • デビュー時から一貫してテレキャスターを愛用しているが、61年のテレビ・ショーではリッキー・ネルソンのバックでジャズマスターを使っている。この他にジェームズ・バートンがジャズマスターを使ったという記録は残っていない。

外部リンク


ジェームズ・バートン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 23:45 UTC 版)

フェンダー・テレキャスター」の記事における「ジェームズ・バートン」の解説

1953年製のテレキャスター愛用言わずと知れた「ミスター・テレキャスター」。彼は、本来ワウンド弦であった3弦をプレーン弦張り替えチョーキング簡単にした(当時一般的に売られていたエレキギター用の弦のうち5弦(A)〜1弦(E)を6弦(Low E)〜2弦(B)位置張り空いた1弦の位置にはバンジョーの1弦(D)張る)。これが現在のライト・ゲージである。つまり、ジェームズ・バートンがライト・ゲージ開発したと言っても良い。ニュー・ギャロッピング奏法開発しバンジョー用のフィンガー・ピック演奏するチキン・ピッキングを得意とする

※この「ジェームズ・バートン」の解説は、「フェンダー・テレキャスター」の解説の一部です。
「ジェームズ・バートン」を含む「フェンダー・テレキャスター」の記事については、「フェンダー・テレキャスター」の概要を参照ください。

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