シャープス軍用小銃およびカービン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 09:04 UTC 版)
「シャープス銃」の記事における「シャープス軍用小銃およびカービン」の解説
軍用シャープス銃、またはベルダン・シャープス小銃としても知られるタイプはフォーリングブロック・アクションを採用した小銃で、アメリカ南北戦争前後に使用された。 標準的な雷管を使うことも可能だったものの、シャープス銃はかなり風変わりなペレット状雷管の装填方法を採用していた。これは多量のペレット状雷管を保持しておき、トリガーが引かれて撃鉄が落ちる度に、1個ずつ突起を越えて供給するという装置だった。馬上からシャープス銃を撃つ時、個々に雷管を詰める銃を使うより、射撃がより簡易になった。 シャープス銃はハートフォード時代のシャープス・ライフル・マニュファクチャリング社によって製造された。南北戦争時、本銃はアメリカ陸軍の狙撃兵に用いられ、中でもハイラム・ベルダンを指揮官とした「第2合衆国義勇狙撃兵連隊」が使用したことで知られている。シャープス銃は当時普及していた前装式施条マスケットよりも狙撃が正確にできる点で卓越しており、マスケット銃よりも優れた狙撃銃となった。狙撃の正確性が向上した理由には、立膝やうつ伏せの姿勢からでもリロードが容易だったことに加え、薬室閉鎖機構がもたらす高い発射速度、製造の高品質さが挙げられる。 しかし当時にあっては、多くの士官たちは兵員の弾薬を浪費するという理由から軍用シャープス銃を信頼していなかった。加えてシャープス銃は製造費用が高く、前装式のスプリングフィールド小銃の3倍ほどの値段となったため、モデル1859は11,000挺が生産されるに留まり、しかもその大部分は配備されないか狙撃手のみに支給された。ただし旧式化したライフルを使用していた第13ペンシルバニア予備役連隊(英語版)はこの小銃を採用し、1864年に制式廃止となるまでこれを装備していた。
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