シニフィアンとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 02:59 UTC 版)
「シグニファイア」の記事における「シニフィアンとの関係」の解説
ソシュールの定義したシニフィアンは、ある特定の概念を想起させるような記号表現のことであり、ノーマンがデザイン領域に導入したシグニファイアもまた抽象的観点からみればその定義を踏襲しているといえるが、両者は使用される場面や文脈が異なる。 ソシュールのシニフィアンは言語学的側面に重点が置かれており、記号と概念との関係性を明らかにするために、必ずシニフィエという語とともに使用される。たとえば、海という漢字(シニフィアン)は海の概念(シニフィエ)を想起させるが、この関係性を議論するときにシニフィアンおよびシニフィエの語が用いられる。 一方、ノーマンのシグニファイアは工学的側面に重点が置かれており、何らかの表現を用いて特定の行為や意味を想起させることにより、人間に好ましい行動選択を促したり対象物の操作方法を説明したりする目的で使用される。たとえば、ボタンの形状(シグニファイア)は押すという行為(概念、メンタルモデル)を想起させるが、この行為の誘導性を議論するときにシグニファイアの語が用いられる。記号学用語としてのシニフィアンはシニフィエとともに語られるのに対し、人間工学用語としてのシグニファイアは(たとえばシグニファイドのような)文法的に対称関係となるような術語を特に持たず、通例、単独の語として紹介される。
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