シダ植物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/22 01:05 UTC 版)
多くのシダ植物は、1通りだけの胞子を形成し、胞子から発芽した前葉体には、造卵器と造精器が作られる。しかし、水生シダ類などに於いては、大きさの異なる2種の胞子を形成するものがある。大きい胞子から発芽した前葉体には造卵器が、小さい胞子から発芽した前葉体には造精器が作られる。この、雄性の前葉体を生じる胞子を小胞子と呼び、小胞子を作る胞子嚢を小胞子嚢という。他にクラマゴケ科やミズニラ科にも例がある。 なお、種子植物においては、雄性の前葉体は(原始的なソテツ・イチョウの類を除き)独立の精子を形成することなく受精が行われる。小胞子および雄性前葉体は、花粉および花粉管にあたる。したがって、小胞子嚢は雄蕊の葯を構成する花粉嚢と相同である。 なお、現在のシダ植物には例が少ないが、このように種子植物は小胞子嚢と大胞子嚢の区別があり、そこから古生代のシダ植物にはより多くの例があったことが窺える。
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