アクリロニトリル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/06 06:50 UTC 版)
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| 物質名 | |||
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Prop-2-enenitrile
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| 識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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| ChEBI | |||
| ChEMBL | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.003.152 | ||
| EC番号 |
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| KEGG | |||
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PubChem CID
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| RTECS number |
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | 1093 | ||
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |||
| C3H3N | |||
| モル質量 | 53.06 g·mol−1 | ||
| 外観 | 無色の液体 | ||
| 密度 | 0.81 g/cm3 | ||
| 融点 | −84 °C (−119 °F; 189 K) | ||
| 沸点 | 77 °C (171 °F; 350 K) | ||
| 70 g/L | |||
| log POW | 0.19[2] | ||
| 蒸気圧 | 83 mmHg[1] | ||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
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主な危険性
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可燃性 反応性 毒性 潜在的な職業性発がん物質[1] |
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| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
| 引火点 | −1 °C; 30 °F; 272 K | ||
| 471 °C (880 °F; 744 K) | |||
| 爆発限界 | 3–17% | ||
| 致死量または濃度 (LD, LC) | |||
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半数致死濃度 LC50
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500 ppm (ラット, 4時間) 313 ppm (マウス, 4 時間) 425 ppm (ラット, 4 時間)[3] |
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LCLo (最低致死濃度)
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260 ppm (ウサギ, 4 時間) 575 ppm (モルモット, 4 時間) 636 ppm (ラット, 4時間) 452 ppm (ヒト, 1 時間)[3] |
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| NIOSH(米国の健康曝露限度): | |||
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PEL
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TWA 2 ppm C 10 ppm [15-minute] [skin][1] | ||
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REL
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Ca TWA 1 ppm C 10 ppm [15-minute] [skin][1] | ||
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IDLH
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85 ppm[1] | ||
| 安全データシート (SDS) | ICSC 0092 | ||
| 関連する物質 | |||
| 関連するニトリル | アセトニトリル プロパンニトリル |
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| 関連物質 | アクリル酸 アクロレイン |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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アクリロニトリル (acrylonitrile) とは、ニトリルの1種で、化学工業における中間体として重要な有機化合物である。アクリルニトリル、アクリル酸ニトリル、シアン化ビニール (vinyl cyanide) などの別称がある。分子式は C3H3N。IUPAC命名法では、アクリル酸 (acrylic acid、CH2=CHCOOH)が慣用名として認められていることから、そこから誘導される名称としてアクリロニトリルも認められている。
性質
無色透明で特有の刺激臭のある液体。分子量 53.06 g/mol、融点 -83.55 ℃、沸点77.6 ℃から77.7 ℃。20 ℃の水に対する溶解度は100 mLあたり7.3 g[4]。有機溶媒の多くのものと任意の割合で混じり合う。
引火性が強い(引火点 0 ℃)だけでなく、毒性が強いため空気中に20 ppm以上含まれると危険である[4]。日本では、毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[5]。光や酸素、アルカリの作用により重合を起こすため、保存にも注意を要する。重合禁止剤としては炭酸アンモニウムなどが用いられる[4]。
反応
アクリロニトリルは各種求核試薬のマイケル付加を受けやすい。すなわち、シアノエチル化の反応試剤である。特に芳香族アミンのシアノエチル化には酢酸銅(II)が触媒に用いられる[6]。
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