シアノヒドリンとは? わかりやすく解説

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シアノヒドリン【cyanohydrin】

読み方:しあのひどりん

《「シアンヒドリン」とも》分子構造中の同一炭素原子上に水酸基(-OH)とシアノ基(-CN)の両方をもつ化学種総称


シアノヒドリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 06:08 UTC 版)

α-シアノヒドリンの一般構造。R, R' は水素原子または有機基を表す

シアノヒドリン (cyanohydrin) は分子内にシアノ基ヒドロキシ基を持つ化学種の総称である。特にシアノ基のα位にヒドロキシ基を持つα-シアノヒドリンを指すことが多い。

カルボン酸アミノ酸の前駆体として工業的に重要である。また、ストレッカー反応において中間体として生成する。

合成法

α-シアノヒドリンはアルデヒドまたはケトンシアン化物イオンを付加させると得られる。この反応にはシアン化水素 HCN を基質、シアン化ナトリウム NaCN を触媒として用いることができる。シアン化物イオンがカルボニル基に付加したあと、生成するアルコキシドが HCN からプロトンを引き抜いて CN が再生する。

リナマリンの構造式

いくつかのシアノヒドリンが植物中に青酸配糖体として存在していることが知られている。例えばキャッサバには、リナマリン(アセトンシアノヒドリンのグルコシド)が含有されている。またをはじめとするバラ科サクラ属植物の種子には、プルナシンマンデロニトリルのグルコシド)、アミグダリンなどが含有されている。

また、ヤスデの中には防御物質としてマンデロニトリルを使用するものが存在する。

参考文献

  1. ^ マンデル酸の合成: Corson, B. B.; Dodge, R. A.; Harris, S. A.; Yeaw, J. S. (1926). "Mandelic acid". Organic Syntheses (英語). 6: 58.; Collective Volume, vol. 1, p. 336
  2. ^ Haroutounian, S. A. (2001). "Acetone cyanohydrin". In Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley & Sons. doi:10.1002/047084289X.ra014
  3. ^ Gaudry, R. (1947). "Glycolonitrile". Organic Syntheses (英語). 27: 41.; Collective Volume, vol. 3, p. 436

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