サイフォンに類する抽出器具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 03:53 UTC 版)
「コーヒーサイフォン」の記事における「サイフォンに類する抽出器具」の解説
ナピアー式抽出器 (Napierian brewer) は、1840年代にスコットランドの造船技術者ジェイムス・ロバート・ネイピアが考案したものである。アメリカや日本では、これが最初のサイフォンだと考える人も存在する。丸底フラスコとビーカーを左右に配置した形になっていた。フラスコの口からビーカーの底に吸引管がのびており、その先端には金属製のフィルタを備えていた。吸引管のフラスコ側の端は、フラスコの口までしかなく、フラスコ内には のびていなかった。 天秤式サイフォン (balancing siphon) は、ナピアー式とほぼ同時期に考案されたものである。ウィーン式サイフォン装置 (Viennese siphon machine) 、あるいは考案者のルイス・ガベットの名からガベットとも呼ばれる。日本では、ウィーンで19世紀に作られた、代表的な商品の名前からオデットという名前で呼ばれることもある。外見上はナピアー式と酷似していて、左右にパーツが並んでいるが、この2つのパーツが天秤上でバランスを取っているのが特徴である。加熱する側のフラスコの下には、アルコールランプのキャップが取り付けられており、湯が完全に抽出槽に移動すると天秤が傾いてランプの火が消され、温度が下がって抽出済みのコーヒーがろ過される。なお、この自動消火のアイデアは古いガラス風船型にも既に見られる。当時はまだ耐熱ガラスがなく過熱による事故が相次いだため、自動消火の機能を備えたものは少なくなかった。
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