サイクロイドであることの証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/03 06:20 UTC 版)
「最速降下曲線」の記事における「サイクロイドであることの証明」の解説
フェルマーの原理より、2点間で光のビームが通る実際の道筋は、最短の時間で光が横切るものである。したがって最速降下曲線は、光が媒質の中で垂直方向の加速を受けるとき(gを重力加速度とする)の光のビーム軌道である。エネルギー保存の法則を用いれば、h を現在の位置とはじめの位置との高さの差とすると、物体が一定の重力の中にあるときその速度は v = 2 g h {\displaystyle v={\sqrt {2gh}}} となる。速度は水平方向の変位によらないことに注意。θは軌道が垂直方向となす角とする。スネルの法則によれば軌道上で光のビームは次の式に従う: sin θ v = 1 v m a x {\displaystyle {\frac {\sin {\theta }}{v}}={\frac {1}{v_{\mathrm {max} }}}} . v m a x {\displaystyle v_{\mathrm {max} }} は最高速度である。( sin θ {\displaystyle \sin \theta } が最大値1となるとき) 上記の式の速度を代入すると次の2つの結論が得られる。 粒子の速度がゼロの始めは角度はゼロである。したがって最速降下曲線は原点で垂直方向である。(つまり下方向) 速度は軌道が水平になるとき最大である。 簡単のために粒子(またはビーム)が座標(0,0)から離れているとして、最大速度が高さD で得られると考える。 v m a x = 2 g D {\displaystyle v_{\mathrm {max} }={\sqrt {2gD}}} . すべての軌道上の位置で軌道の傾き角度θは(x,y)座標では次のように表される: sin θ = d x d x 2 + d y 2 {\displaystyle \sin {\theta }={\frac {dx}{\sqrt {dx^{2}+dy^{2}}}}} . この式を前の式に代入し項を整理しなおすと次の式が結果として得られる: ( d y d x ) 2 = D y − 1 {\displaystyle \left({\frac {dy}{dx}}\right)^{2}={\frac {D}{y}}-1} . ここで半径rのサイクロイドの微分方程式は ( d y d x ) 2 = 2 r y − 1 {\displaystyle \left({\frac {dy}{dx}}\right)^{2}={\frac {2r}{y}}-1} . である。比較すると、結果の式は半径 r = D / 2 {\displaystyle r=D/2} の円が作る反対のサイクロイドの微分方程式である。
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