サイクリンと細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/07 01:59 UTC 版)
細胞はG1→S→G2→M期からなる細胞周期を回転させることにより増殖をする。細胞周期の回転においてエンジンの役割を果たすのがサイクリン及びサイクリン依存性キナーゼ (Cyclin Dependent Kinase; CDK) と呼ばれる蛋白質であり、これらは複合体を形成して働く。サイクリンはCDKの活性発現に必要であり、調節サブユニットと呼ばれる。細胞内には複数の種類のサイクリン及びCDKが存在し、細胞周期の回転にはサイクリンA,B,D,Eが関与している。その他のサイクリンは転写制御などの役割を果たしていると考えられている。 各細胞周期の回転において細胞はサイクリン及びCDKの組み合わせを変えて使い分けている。例えばサイクリンE/CDK2はG1/S期に働くが、G1期になるとサイクリンEの発現量が増加して細胞周期の進行に関与するが、S期になるとユビキチン-プロテアソーム系により分解されてしまう。その後の細胞周期の進行は他のサイクリン-CDK複合体が担うので問題はない。また、細胞周期に依存して発現量が変化するのはサイクリンの方だけで、CDKの発現量は変化しない。
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