サイクリンBとp53
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/21 16:25 UTC 版)
「サイクリンB」の記事における「サイクリンBとp53」の解説
サイクリンBの調節経路とがん抑制因子p53の経路の間には強いクロストークが存在する。一般的に、p53とサイクリンBのレベルには負の相関がある。p53が蓄積すると下流のタンパク質p21(WAF1)のレベルが上昇し、これがサイクリンB/CDK1複合体の活性化を阻害して細胞周期の進行を停止する。また、サイクリンBレベルの低下によって機能的なp53のレベルが上昇することも示されている。そのためサイクリンBを標的としたsiRNAは、p53の機能が阻害されているものの遺伝子は欠損していないがんに対する効果的な治療法となる可能性がある。このような症例では、サイクリンBのレベルの低下によってp53の腫瘍抑制機能を回復させるとともに、がん細胞の分裂を防ぐこともできると期待される。
※この「サイクリンBとp53」の解説は、「サイクリンB」の解説の一部です。
「サイクリンBとp53」を含む「サイクリンB」の記事については、「サイクリンB」の概要を参照ください。
- サイクリンBとp53のページへのリンク