サイクリンB1/CDK1活性の調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 06:13 UTC 版)
「G2期」の記事における「サイクリンB1/CDK1活性の調節」の解説
サイクリンB1のレベルの上昇に従って、サイクリンB1/CDK1複合体のレベルもG2期を通じて上昇する。しかし、Wee1とMyt1による阻害的なリン酸化のため、複合体はG2期からM期への移行前には不活性状態のままである。Wee1は主に核に局在してCDK1のチロシン15番(Tyr15)残基に作用し、Myt1は小胞体膜に固定されておりスレオニン14番(Thr14)にも作用する。 Wee1とMyt1の作用はCdc25ファミリーのホスファターゼと拮抗する。Cdc25はCDK1の阻害的リン酸基を除去し、サイクリンB1/CDK1複合体を完全に活性化された形態(MPF)へ変換する。 活性型のサイクリンB1/CDK1複合体は、Wee1とCdc25の活性を調節する。具体的には、CDK1によるリン酸化は、直接的にまたは中間キナーゼPLK1の活性化を介し、Wee1のキナーゼ活性の阻害とCdc25Cのホスファターゼ活性の活性化を行う。そのため、CDK1はCdc25とポジティブフィードバックループを形成し、Wee1と二重のネガティブフィードバックループを形成する(全体としてはポジティブフィードバックループとなる)。
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