コルセットの衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 00:49 UTC 版)
20世紀初頭、ココ・シャネルが婦人服にジャージー生地などの新たな素材や男性服のエッセンスを導入して日常生活における利便性とファッション性を両立したスーツを発表すると窮屈なコルセットは衰退し始めた。それでも実用的な補正下着としてのコルセットは20世紀半ば頃まで使用され続けるが、下着の生地の素材が進化すると共に多様化し、コルセットとは別種の体型補正下着が素材レベルからデザインされ、これらがコルセットに取って代わって行った。 20世紀の半ば以降になると女性の社会進出が著しくなり、屋外での活動に適した実用的な形状のスカートが登場した。19世紀になお存在した重厚なペティコート、あるいはペティコート型スカートは廃れて行き、ヴィクトリア朝時代に盛んであった装飾過剰で裾の長いドレスも、20世紀の初期から半ばへとかけて、より活動的なファッションへと変化して行ったのである。 これと共に、着脱が容易で生活運動にも支障をきたさない補正下着がコルセットの位置を奪っていったのであり、また時代における女性に期待される「美しい身体のライン」の理想の変化もファッションとしてのコルセットの衰退をもたらす原因となった。 近年はギプスや腰痛緩和器といった医療具、腹部や腰椎部に負荷がかかる運動における肉体損傷予防および力学的効率化を目的とした運動補助具としてその名前を残している。
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