ケト-エノール互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/31 20:04 UTC 版)
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ケト-エノール互変異性(ケト-エノールごへんいせい、英: keto–enol tautomerism)は、ケト(ケトン、アルデヒド)とエノールの間の互変異性である。この互変異性は反応性に富むため様々な反応に使われる。
機構
ケト-エノール互変異性は酸/塩基の両方に触媒される。
酸触媒の場合、カルボニル基の酸素原子に水素化がおこりカチオン中間体が生成し、α炭素が水素を失ってエノールを与える。この機構はE1反応に似ている。
塩基触媒の場合、塩基がα炭素の水素を引き抜いてエノラートアニオンを生成し、カルボニル基の酸素原子に水素化が起こりエノールを与え、塩基触媒が再生される。
関連項目
ケト-エノール互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 18:51 UTC 版)
ケト-エノール互変異性は上記のプロトン互変異性の反応式で X = Y = C, Z = O に当たるものである。R2−CH-C(=O)−R' で表される構造をケト型 (keto form) といい、R2C=C(OH)−R' で表される構造をエノール型 (enol form) という。この関係を持つ互変異性体の一例としてアセトアルデヒド(ケト型)とビニルアルコール(エノール型)がある。 炭素-酸素二重結合に対して炭素-炭素二重結合は相対的に不安定であり、一般的なカルボニル化合物では平衡は大きくケト型の方へと片寄っている。そのため、分光学的手法を用いてもエノール型を確認するのは通常不可能である。しかし、カルボニル基のα位のハロゲン化反応などが進行することからエノール型が微量ながらも存在していることが分かる。 なお、1,3-ジカルボニル化合物(たとえばアセチルアセトンやアセト酢酸エチル)ではエノール型がカルボニル基と炭素-炭素二重結合の共役によって安定化されるため、平衡状態で充分な割合のエノール型が存在し核磁気共鳴分光法などで確認できる。環状化合物ではこの傾向はさらに強まり、1,3-シクロヘキサンジオンでは逆にエノール型のみが確認できる。また、1,2-ジカルボニル化合物も環状化合物ではかなりの割合でエノール型で存在する。
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