クレーターの男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 14:07 UTC 版)
1970年4月1日号掲載。29ページ。 197X年、アポロ18号の乗組員であるウイリアム・フロスト・ウイリーは、月面のクレーターの1つであるアルフォンズス火口(英語版)へ調査に向かい、その付近で地球から時折観測される雲の正体を探ろうとしていたが、成果を得られぬまま帰途につこうとした際、崖から落ちて宙吊りになるという不幸に見舞われる。連絡手段も自力での脱出方法も絶たれたウイリアムは、酸素が尽きるとともに死亡した。やがて、ウイリアムの身体がミイラ化するほどの時間が過ぎた後、周囲で始まった火山活動によって発生したガスを浴びた彼は、死の眠りから揺り起こされた。ウイリアムはガスが衰えると死亡し、ガスを浴びると生き返るということを繰り返した果てに、月面を訪れた新たな宇宙船に遭遇する。宇宙船内で最初の死亡から130年が経過していることを知らされたウイリアムは、ガスを調査してくれと乗組員たちに訴えるが、彼らは世界を分断する戦争の最中にあり、それに必要なウラニウムを採掘するためだけに訪れていたため、ウイリアムの願いは叶わなかった。ガスの効果が切れかかってきたこともあってアルフォンズス火口へ戻っていくウイリアムをよそに、ウラニウムを積載した宇宙船は地球への帰途につく。それから数日後、天空に浮かぶ地球は核爆発の光に包まれる。それを眺めながら、ウイリアムは自分が最後の人間になってしまったことを自覚するのだった。
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