クレティアンの使った資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:02 UTC 版)
「クレティアン・ド・トロワ」の記事における「クレティアンの使った資料」の解説
彼の書いた物語のもととなる一次資料や内容を特定できる資料について、多くの研究者が興味を示してきたが、彼の情報源は今も分からない。彼は自分の使った一次資料について非常に漠然とした方法で述べており、物語の中にケルト系の伝承の影響が簡単に見て取れるにもかかわらず、彼がそういった資料を所持していたという証拠はない。ジェフリー・オブ・モンマスやワースの書いた詩や物語には登場人物の幾人かが出てくるが、両者ともクレティアンの物語で重要な役割を果たすエレック((英語版))、ランスロ、グルネマンツ((英語版)))らについては触れていない。今では失われたラテン語やフランス語による物語の原本について推測したり、ケルトに源を発するヨーロッパ大陸の伝承について推測せざるを得ない状態である。同様の問題は1150年ごろに活躍しトリスタン伝説をうたったノルマン人の詩人、ベルールの研究者も直面している。クレティアンの5つの物語は、一人の作家の作品でありながらフランス騎士道の理想についてもっとも完璧な表現を実現した。
※この「クレティアンの使った資料」の解説は、「クレティアン・ド・トロワ」の解説の一部です。
「クレティアンの使った資料」を含む「クレティアン・ド・トロワ」の記事については、「クレティアン・ド・トロワ」の概要を参照ください。
- クレティアンの使った資料のページへのリンク