クムストヴォ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 01:08 UTC 版)
それぞれザドルガは婚姻を通じて身内(スヴォイタ)を増やして行くが、こうして関係ができた親戚を「同輩(プリヤテリ)」と呼び、同輩や身内の数でその家の威信が決まる事となった。また、その他、「クムストヴォ」と呼ばれる関係も存在しており、これは「クム(証人)」を必要とする洗礼と結婚に関連して「洗礼クムストヴォ(クルシュテノ・クムストヴォ)」と「婚姻クムストヴォ(ヴェンチャノ・クムストヴォ)」が存在した。「洗礼クムストヴォ」は洗礼の時に名付け親になったことにより、その関係が発生し、「婚姻クムストヴォ」は結婚の際、仲人を務めることにより発生する。「クムストヴォ」は人工的な身内であり、一説によれば、キリスト教以前の慣例に起源があるとする説や教会へ新たに入信したものに古くから信者であったものが後見人を務めることが起源とする説などがある。 ザドルガの人々は「クムストヴォ」を尊重して誇りにしており、ザドルガが分解した場合でも「クムストヴォ」を分け合うこととなり、それぞれの人々が「クム」として選ばれることとなった。この「クム」は過去に相手の家族を殺害したことがあったとしても相手方の「クム」となれば罪が許される事から、過去に諍いが生じた家同士が「クム」になることを進められることもあった。後に共産主義政権下で「クムストヴォ」制度はその重要性を失ったが、それでもセルビア人らの大半は「クムストヴォ」を重要視していた。
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