キングドントラップと orbitrap
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 05:00 UTC 版)
「イオントラップ」の記事における「キングドントラップと orbitrap」の解説
キングドントラップは細い中心ワイヤーと外部円筒電極、両端に位置する絶縁されたエンドキャップ電極からなる。静的電圧を印加すると電極間に放射状対数ポテンシャルが生じる。キングドントラップでは、イオンを蓄えるためのポテンシャル最小点が存在しない。そのかわり、イオンは有限の角運動量をもち、印加された電場により安定化された中心ワイヤ周りのトラジェクトリーに蓄えられる。1981年、ナイトはイオンをトラップの軸方向に閉じ込める向軸四重極項を加えた修正型外部電極を導入した。動的キングドントラップには持続的に荷電粒子を貯蔵するために強いデフォーカス AC 電圧が追加されている。動的キングドントラップでは粒子がフィラメントに対する角運動量をもっている必要はなくなる。Orbitrap は修正型のキングドントラップで、質量分析法に用いられる。アイデアは提唱され、コンピュータシミュレーションも実行されているが、キングドン型でもナイト型でも質量スペクトルが得られたという報告はない。シミュレーションでも質量分解能が問題となるであろうことが示されている。
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