キャンディ_(小説)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > キャンディ_(小説)の意味・解説 

キャンディ (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/08 05:22 UTC 版)

キャンディ』(Candy)は、マックスウェル・ケントンとメイソン・ホッフェンバーグ[1]が書いた小説で、1958年パリオリンピア・プレス (Olympia Press) より出版された。

作家名マックスウェル・ケントンは、テリー・サザーン(『博士の異常な愛情』『イージー・ライダー』などの脚本家)の変名であり、ゴア・ヴィダルの『マイラ』と並んで1960年代の奇書といわれている。

この小説はヴォルテールの『カンディード』を土台にしたもので、キャンディという少女の破瓜に至るまでの性的遍歴を、毒のあるユーモアを交えながらスラップスティック・コメディさながらに、シニカルに描いている。出版社が悪名高いポルノ本の版元であるため、フランスで発行された英語の小説であるにもかかわらず、青少年に悪影響を与えるとして発禁処分を受けた(度重なる発禁処分をめぐってド・ゴール政府と抗争状態にあった発行者のモーリス・ジロディアスは、『ロリポップ』と改題して発売した)。

米国では1964年になって、大手出版社のパトナムからテリー・サザーン名義で出版され、ベストセラーになった。

日本語版

  • 『キャンディ』サザーン&ホッフェンバーグ、稲葉明雄訳、早川書房 ハヤカワ・ノヴェルズ、1965年6月。早々に発禁絶版となった。
  • 『キャンディ』清水正二郎または磯村謙(清水の変名で、のち作家胡桃沢耕史)訳、浪速書房、1964年6月
オリンピア・プレス版での翻訳で、マックスウェル・ケントン名義での出版もあり、下記のテリー・サザーン名義のものと若干内容が異なっている。

映画化

1968年に、クリスチャン・マルカン監督で『キャンディ』として映画化された。主演のキャンディ役は当時は無名新人のエヴァ・アウリン(エヴァ・オーリン)だが、脇役にはマーロン・ブランドリチャード・バートンリンゴ・スタージェームズ・コバーンウォルター・マッソーシャルル・アズナブールアニタ・パレンバーグなど豪華な顔ぶれが出演している。ただ、映画の方は公開当時、豪華キャストの共演で話題になりながらも「あまりにもセックスシーンが多すぎる」と評論家から酷評された。テリー・サザーンは映画化にあたり、初めは協力的だったが、キャンディ役がスウェーデン娘に決まってからは、手を引いたという[2]

この映画は日本では1970年の初公開以来、長らく上映・ビデオ化されず、幻のカルト映画として語り継がれていたが、2003年にリバイバル上映され、原作が改訳刊行し、DVD化も話題になった。

脚注

  1. ^ ホッフェンバーグ(1922-1964)はアメリカの詩人で本作のみの活動だった
  2. ^ ジョン・ディ・セイント・ジョア『オリンピア・プレス物語』青木日出夫訳、河出書房新社

「キャンディ (小説)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キャンディ_(小説)」の関連用語

キャンディ_(小説)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キャンディ_(小説)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキャンディ (小説) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS