ガリレオ・ガリレイ_(潜水艦)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ガリレオ・ガリレイ_(潜水艦)の意味・解説 

ガリレオ・ガリレイ (潜水艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/23 18:07 UTC 版)


アルキメーデ級の艦形図
艦歴
発注 トシ社タラント造船所
起工 1931年10月15日
進水 1934年3月19日
就役 1934年10月16日
退役
その後 1940年6月19日イギリス海軍に鹵獲後、1942年から潜水艦「X-2」として就役。1946年除籍後解体処分。
除籍
性能諸元
排水量 水上:970トン
水中:1,239トン
全長 70.5m
全幅 6.87m
吃水 4.12m
機関 水上:トシ式ディーゼル機関2基
水中:マレリ式電気モーター2基
2軸推進
最大出力 水上:3,000hp
水中:1,100hp
最大速力 水上:17.0ノット
水中:7.7ノット
航続距離 8ノット/10,500海里
燃料 重油:-トン
乗員 55名
兵装 OTO 1927年型 10cm(43口径)単装速射砲2基
1931年型 13.2mm(75.7口径)単装機銃2丁
53.3cm水中魚雷発射管単装8門(前部4門、後部4門)

ガリレオ・ガリレイ (Galileo Galilei) は、イタリア海軍潜水艦アルキメーデ級

艦歴

1931年10月15日起工。1934年3月19日進水。同年10月16日竣工。

スペイン内戦に参加。その後紅海に配備される。

イタリアが第二次世界大戦に参戦した1940年6月10日に「ガリレオ・ガリレイ」は出撃し、10月16日にバブ・エル・マンデブ海峡を通過[1]。同日、オマーン湾でノルウェーのタンカー「ジェームス・ストーブ (James Stove) 」(8215トン)を停船させ、乗組員の退船後に魚雷で沈めた[2]

6月18日、ユーゴスラビアの貨物船「ドラバ (Drava) 」を臨検[3]。次いで16時ごろイギリス軍機と交戦した[4]。19時30分、イギリスのスループ「ショアハム」が「ガリレオ・ガリレイ」を発見[4]。爆雷攻撃を実施後、追跡をトローラー「ムーンストーン」に引き継いだ[4]。6月19日2時30分に「ガリレオ・ガリレイ」は浮上したが、この時エアコンが壊れており、中毒患者が出ていた[4]。エアコンには有毒なクロロメタンが使用されていた[5]

6月19日11時37分、「ムーンストーン」はASDICで「ガリレオ・ガリレイ」を捉えた[4]。「ムーンストーン」は爆雷を投下[4]。一方、「ガリレオ・ガリレイ」の艦長Nardiは潜望鏡で見て敵艦の武装は弱いと確信[6]。「ガリレオ・ガリレイ」は浮上し砲戦を挑んだ[6]。当時のイタリア潜水艦長は艦の搭載砲と水上速力を信頼しており、水上戦も厭わなかった[7]。しかし、荒れた海などのため「ガリレオ・ガリレイ」の砲撃が正確さを欠く一方、「ムーンストーン」の砲撃は「ガリレオ・ガリレイ」の艦橋に続けて命中[6]。「ガリレオ・ガリレイ」では艦長以下士官がほぼ全員死亡した[7]。誰かがエンジンを止めると、イタリア人たちは白旗を振って艦から出てきた[6]。おそらく、彼らはクロロメタン中毒になっていた[6]。この戦闘でのイタリア側の死者は16名であった[8]

イギリス人は「ガリレオ・ガリレイ」のエンジンを始動させ、駆逐艦「カンダハー」が曳航してアデンへ持っていった[9]

イタリア側はコードブックが敵の手に渡ったものと判断して暗号を変更したが、実際にイギリス側が入手したのはコードブックではなく作戦命令書であり、その情報を元にイタリア潜水艦「ルイジ・ガルヴァニ」を沈めた[10]

1942年に「ガリレオ・ガリレイ」はイギリス海軍の潜水艦「X2」となる。1946年1月1日に除籍後、解体処分された。

脚注

  1. ^ "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 29
  2. ^ "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", pp. 29-30
  3. ^ "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 30
  4. ^ a b c d e f "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 31
  5. ^ "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 22
  6. ^ a b c d e "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 32
  7. ^ a b "Red Sea Naval War", A War of Intelligence
  8. ^ "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", p. 33
  9. ^ The Kelly's, p.105
  10. ^ Marc'Antonio Bragadin, The Italian Navy in World War II, 1957, Naval Institute, p.23

参考文献

  • Marek Sobski, "Italian Submarines In The Red Sea 1940-1941", Naval Archives Vol.10, KAGERO Publishing, 2019, ISBN 978-83-66148-00-0, pp. 20-49
  • Christopher Langtree, The Kelly's: British J, K and N Class Destroyers of World War II, Naval Institute Press, 2002, ISBN 1-55750-422-9
  • Vincent P. O'Hara, Enrico Cernuschi, "Red Sea Naval War"

参考図書

  • 「世界の艦船増刊第20集 第2次大戦のイタリア軍艦」(海人社)

「ガリレオ・ガリレイ (潜水艦)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ガリレオ・ガリレイ_(潜水艦)」の関連用語

ガリレオ・ガリレイ_(潜水艦)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ガリレオ・ガリレイ_(潜水艦)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのガリレオ・ガリレイ (潜水艦) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS