日本カバヤ・オハヨーホールディングス
(カバヤ・オハヨーグループ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/14 19:00 UTC 版)
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒700-0024 岡山県岡山市北区駅元町1番4号 ターミナルスクエア11階 |
| 設立 | 2016年2月12日 |
| 業種 | 食料品 |
| 法人番号 | 8260001029253 |
| 事業内容 | グループ各社の経営管理およびそれに附帯する業務 |
| 代表者 | 代表取締役CEO 山崎陽子 |
| 資本金 | 1億円 |
| 主要子会社 | オハヨー乳業(株) 100% |
| 外部リンク | https://www.kabaya-ohayo.com/ |
| 特記事項:東京本社:〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3番地12 紀尾井町ビル10階 | |
日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社(にっぽんカバヤ・オハヨーホールディングス、Nippon Kabaya Ohayo Holdings Inc.)は、岡山県岡山市北区に本社を置くカバヤ・オハヨーグループの持株会社。
概要
林原グループ時代
1946年(昭和21年)12月24日、水あめ製造業の林原(現:ナガセヴィータ)のグループ会社として「カバヤ食品株式会社(旧法人、現:バーチューアンドエクセレンスインベストメント株式会社)[注 1]」が設立[1]。
例年、水飴の生産は2月と8月が落ち込む。林原の3代社長林原一郎(カバヤ創業者・初代会長)は、その閑散期を埋めるため、岡山駅前のヤミ市で喫茶店「河馬屋(かばや)」を営む幼馴染の前田政二と協力し、喫茶店裏でのキャラメルの製造を開始した。カバヤの名はこれに因んだもの[1]。
主力商品『カバヤキャラメル』は、宣伝カー『カバ車』や景品の『カバヤ児童文庫』など、ユニークな販売促進策によりシェアを拡大。カバヤ食品は短期間で老舗の明治製菓(現:明治)を抜き去り、森永製菓に次ぐ業界第二位のメーカーへと急成長を遂げた[1]。
1953年(昭和28年)6月29日、カバヤ食品は、キャラメルの生産拡大に伴い、原料となるミルクの内製化を目的として、傘下に「大日本乳業株式会社(現:オハヨー乳業株式会社)」を設立。1957年(昭和32年)10月、商号を「オハヨー乳業株式会社」に変更した[1]。
その矢先の1961年(昭和36年)4月17日、林原グループ総帥でカバヤ食品会長の林原一郎が胃がんにより急逝する。享年52[1]。
林原グループを離脱
一郎の死去に伴い、急遽長男の林原健が林原本社の社長に就任した。当時まだ19歳で、慶應義塾大学の二年生だったため、名目上の就任にとどまり、実務については先代からの番頭格が代行した[2]。
一郎の死去から数日後、カバヤ食品は第三者割当増資を実施する。林原健の著書によると、カバヤ食品の番頭が「林原本社の役員に知られないよう」密かに取締役会で決議し、林原本社の持株比率を大幅に低下させたとのこと[1]。当時、林原グループは林原本社とカバヤ食品がグループの二本柱で、その他グループ会社の株式はおおむね両社で半分ずつ所有していた。このため林原本社単独では経営支配権を発揮できない状態に陥った[2]。
完全決着までに20年を要したとされ、最終的にカバヤ食品とその傘下のオハヨー乳業、岡山日日新聞社などの企業は林原グループを完全離脱した[2]。
カバヤ・オハヨーグループ
カバヤ食品専務の野津克巳は、1965年(昭和40年)にオハヨー乳業の社長に就任。カバヤ食品、オハヨー乳業を中核とする「カバヤ・オハヨーグループ」を結成する。
1972年(昭和47年)12月1日には、カバヤ食品と小堀住研(現:ヤマダホームズ)の合弁により、戸建住宅事業を手掛ける「カバヤ小堀住研株式会社(現:ライフデザイン・カバヤ株式会社)」を設立。事業の多角化を推進した。
持株会社体制へ移行
カバヤ・オハヨーグループは持株会社体制への移行に先立ち、2016年2月12日付で「日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社」を設立。
2016年4月1日に持株会社体制へ移行し、グループ各社における経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を日本カバヤ・オハヨーホールディングスに集約した。同日付でカバヤ食品、オハヨー乳業などのグループ各社は日本カバヤ・オハヨーホールディングスの完全子会社となった[3][4]。
2023年7月31日、総合ペットショップ事業を手掛けるライフパートナーイケダ株式会社の全事業(京山店を除く)を新設分割により「ライフパートナーイケダ株式会社」に継承し、同日新設会社の全株式をペッツファーストに譲渡した。旧法人は「株式会社イケダペットファーム」に商号変更し、同年11月1日付でオハヨー乳業が吸収合併した[5][6]。
2024年5月28日、カバヤ食品は都内の投資会社「D Capital株式会社」からの資本参加を受け入れ、日本カバヤ・オハヨーホールディングスの連結子会社から外れることを発表した。なお、D Capitalは、運営するファンドを通じておやつカンパニーを所有している[7][8][9][10]。
2024年7月下旬、当初の予定通りD Capitalが運営するファンド「D Capital 1号投資事業有限責任組合」が出資する特定目的会社を通じカバヤ食品(2代目法人)に資本参加し、同日付でカバヤ・オハヨーグループを離脱した[9][10]。2024年9月28日現在、グループ各社WEBサイトや本社を置くスクエアビルからカバヤ食品の社名及びロゴマークが削除・撤去されている。なお、社名に「カバヤ」を冠するエクセルパック・カバヤ、ライフデザイン・カバヤ等のグループ企業は日本カバヤ・オハヨーホールディングスが直接株式を保有しており、本取引に含まれない。
池田家とカバヤ・オハヨーHDの関係
- 同社オーナーで代表取締役CEOを務めた池田基煕は、旧岡山藩主池田家第16代当主池田隆政の妻の池田厚子(昭和天皇第4皇女)の養子である。『週刊文春 2024年11月14日号』は関係者の話としてカバヤHDが「会社ぐるみで池田家への養子入り」を目指してきたとし、「社内で幹部を集めて『家』のことを話し合う会議を設け、社員が業務として取り組んでいる」と報じた[11]。
グループ企業
- オハヨー乳業株式会社 - 牛乳・乳製品の製造販売
- エクセルパック・カバヤ株式会社 - パッケージング、板紙印刷、梱包資材販売
- 株式会社スクエアビル - 不動産事業。岡山駅前複合ビル「ターミナルスクエア」の管理運営などを行う
- 株式会社瀬戸内海経済レポート - 旧岡山日日新聞グループの社団法人瀬戸内海経済研究センターが改組
- 株式会社リンク&リンケージ - 物流事業、システムインテグレーション事業
- 東京レジャー開発株式会社 - ゴルフ場運営
- ザ・ロイヤル ゴルフクラブ
- 富嶽カントリークラブ
- カバヤゴルフクラブ
- 伊勢中川カントリークラブ
- 紀南カントリークラブ
- カバヤゴルフガーデン
- ライフデザイン・カバヤ株式会社 - 住宅メーカー
- トータルアシスト・カバヤ株式会社 - 保険代理業
- 学校法人三友学園
- 専門学校岡山情報ビジネス学院
- クラーク記念国際高等学校岡山キャンパス
- 希望高等学園
関連会社・関係会社
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 林原健『林原家 同族経営への警鐘』株式会社日経BP、2014年。ISBN 978-4-8222-6399-7。
- ^ a b c 林原靖『破綻 : バイオ企業・林原の真実』ワック株式会社、2013年。 ISBN 978-4-89831-409-8。
- ^ 『日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社』設立および持株会社体制移行のお知らせ 日本カバヤ・オハヨーホールディングス 2016年3月31日
- ^ カバヤ・オハヨーグループ、13社が持株会社に 日本経済新聞 2016年3月30日
- ^ “ライフパートナーイケダのペットショップ事業の新設分割全株式をペッツファーストへ譲渡 ~京山店は岡山の地域密着型店舗として新たなスタート~”. 日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “オハヨー乳業株式会社の情報”. https://kaishalist.com/.+2024年9月28日閲覧。
- ^ “米カーライル、ベビースターのおやつカンパニーを国内ファンドに売却”. Bloomberg. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “【第154回】D Capitalが描く「おやつカンパニー」の成長加速戦略”. MARR Online. 2024年9月28日閲覧。
- ^ a b “[カバヤ食品、投資会社の資本参加受け入れ DX強化 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC2920A0Z20C24A5000000/]”. 日本経済新聞 電子版. 2024年9月28日閲覧。
- ^ a b “D Capitalによる資本参加の受け入れに関するお知らせ”. カバヤ食品株式会社. 2024年9月28日閲覧。
- ^ 週刊文春2024年11月14日号15ページ「天皇の伯母・池田厚子さん(93)養子縁組に」
外部リンク
- 日本カバヤ・オハヨーホールディングスのページへのリンク