カニヤドリカンザシとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カニヤドリカンザシの意味・解説 

カニヤドリカンザシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/01 12:36 UTC 版)

カニヤドリカンザシ
分類
: 動物界 Animalia
: 環形動物門 Annelida
: 多毛綱 Polychaeta
: ケヤリムシ目 Sabellida
: カンザシゴカイ科 Serpulidae
: Ficopomatus
: カニヤドリカンザシ F. enigmaticus
学名
Ficopomatus enigmaticus
(Fauvel, 1923)
和名
カニヤドリカンザシ
英名
Australian tubeworm

カニヤドリカンザシ(学名: Ficopomatus enigmaticus)とは、環形動物門多毛綱ケヤリムシ目カンザシゴカイ科に属する動物の一種。別名「ヤドカリカンザシ」。日本にはもともと分布していない外来種

目次

分布

北アメリカメキシコ湾岸)、イギリスオランダフランスギリシャ日本沿岸に分布する[1]

原産地はよくわかっておらず、ヨーロッパの大西洋岸もしくはインド洋オーストラリア周辺ともいわれている[2]

特徴

体長10-25mm[2]。白色もしくは茶色の石灰質の棲管を形成し、貝類や人工物に群体で固着する[3]。鰓蓋上段の棘は茶褐色または黒色で1列に並ぶ[3]。鰓糸は約10対[3]

塩分耐性をもち、河口域に生息する[4]。繁殖期は比較的長く、5-8月と8-12月の2つのピークがある[4]。生まれてから1か月程度で成熟し、寿命は数年とされる[2]

外来種問題

日本では1966年に岡山県児島湾で初めて記録された[1]。現在では宮城県千葉県東京都神奈川県静岡県愛知県大阪府岡山県広島県島根県福岡県石垣島までの広い範囲に定着が拡大している[1]。各地の湾岸を行き来する船に固着したり、バラスト水に混入したりして導入されたものと考えられる[2]

1960年代後半には静岡県の浜名湖で養殖カキに甚大な被害を与えた[2]。また、在来の近縁種と競争する可能性も指摘されている[1]

同様の被害を発生させる近縁種にはカサネカンザシがいる[2]

外来生物法により要注意外来生物に指定されている[2]。有効な対策としては固着した個体を剥ぎ落すことくらいしか手だてはない[4]。しかし、刺激を与えると放精・放卵してしまうため、水中で駆除を行うと個体数が逆に増える可能性もあり、注意が必要とされる[4]

参考文献

  1. ^ a b c d カニヤドリカンザシ 国立環境研究所 侵入生物DB
  2. ^ a b c d e f g 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著) 『決定版 日本の外来生物』 平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7
  3. ^ a b c 西栄二郎・田中克彦「要注意外来生物としての多毛類カンザシゴカイ類の分類について (PDF)」 、『神奈川自然誌資料』第27巻、2006年、p.p.83-86、2011年7月9日閲覧。
  4. ^ a b c d 村上興正・鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編著) 『外来種ハンドブック』 地人書館、2002年9月30日。ISBN 4-8052-0706-X



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カニヤドリカンザシ」の関連用語

カニヤドリカンザシのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カニヤドリカンザシのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカニヤドリカンザシ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS