カトリック教会における婚姻の無効
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 17:20 UTC 版)
「婚姻の無効」の記事における「カトリック教会における婚姻の無効」の解説
カトリック教会では、伝統的に信徒の婚姻関係は、主イエス・キリストの前で結ぶ秘跡そのものであり、(旧約聖書の「創世記」にあるように)神の前で「男女が一体になる」ものとしている。したがって、それを取り消すこと(離婚)は出来ないとみなしている。 しかし、特別な場合に限っては「婚姻の無効」が認められることがある。離婚が「結婚が成立した上でその関係を解消する」とは異なり、婚姻の無効は「結婚成立の時点へさかのぼってその是非を問う」ものである。婚姻の無効を実質的な離婚の手段として使用することは、カトリック教会における本来の意図から離れたものであるため、「婚姻の無効」は簡単には認められない。 教会法1629条には「このような理由により、カトリック教会は教会裁判所による厳密な審査のあとで婚姻の無効(婚姻関係そのものが成立していなかったということ)」を判断することができる。カトリック教会のカテキズムの解釈では「婚姻の無効が成立した二人は、自由に結婚することができる。」とある。また、教会法1137条は婚姻の無効が成立した場合でもその子供は正式な婚姻の下に生まれたものとして認められるとしている。 カトリック教会においての婚姻の無効の認定は、法的な離婚とは別種のものである。とはいっても教会が婚姻の無効を認めるほどのケースであれば、法的にも離婚が成立し、事実上離婚している場合がほとんどである。
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