カッツ行列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 08:24 UTC 版)
既約でない最高ウェイト表現はカッツ行列式から求められる。レベルNのカッツ行列とは、整数 N の分割 ( n 1 , n 2 , … ) {\displaystyle (n_{1},n_{2},\ldots )} と ( n 1 ′ , n 2 ′ , … ) {\displaystyle (n'_{1},n'_{2},\ldots )} (つまり n 1 ≥ n 2 ≥ ⋯ {\displaystyle n_{1}\geq n_{2}\geq \cdots } となる正整数の有限列)に対して、内積 ( L − n 1 ′ L − n 2 ′ ⋯ v h , L − n 1 L − n 2 ⋯ v h ) {\displaystyle (L_{-n'_{1}}L_{-n'_{2}}\cdots v_{h},L_{-n_{1}}L_{-n_{2}}\cdots v_{h})} を成分にもつ p ( n ) × p ( n ) {\displaystyle p(n)\times p(n)} 行列のことで、その行列式をカッツ行列式という。ヴィラソロ代数の中心 c を c = 1 − 6 ( p − q ) 2 p q {\displaystyle c=1-6{(p-q)^{2} \over pq}} とパラメトライズし、整数r, sに対して h r , s ( c ) = ( p r − q s ) 2 − ( p − q ) 2 4 p q {\displaystyle h_{r,s}(c)={{(pr-qs)^{2}-(p-q)^{2}} \over 4pq}} と置くと、カッツ行列式 d e t n {\displaystyle \mathrm {det} _{n}} には以下の公式が知られている。 d e t N = A N ∏ 1 ≤ r , s ≤ N ( h − h r , s ( c ) ) p ( N − r s ) . {\displaystyle \mathrm {det} _{N}=A_{N}\prod _{1\leq r,s\leq N}(h-h_{r,s}(c))^{p(N-rs)}.} (関数 p(N) は分割数であり、AN は定数である)この公式は Kac (1978) によって主張され(Kac & Raina (1987) も参照)、Feigin & Fuks (1984)において初めて証明された。 h = h r , s {\displaystyle h=h_{r,s}} に対応するヴァーマ加群では、以下に説明する特異ベクトルが存在するため、可約となる。特に、q/pが正の有理数の場合、無限個の特異ベクトルが存在しそれらの生成する極大部分加群による商をミニマル表現という。この表現はBelavin (1984) らが研究を始めたミニマル模型(英語版)に対応する。この結果は Feigin & Fuks (1984) によってすべての既約最高ウェイト表現の指標を求めるために使われた。
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