カセットMTR:ミキサー内蔵型
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「マルチトラック・レコーダー」の記事における「カセットMTR:ミキサー内蔵型」の解説
1979年に、ティアック社はオーディオカセットテープを使用した、4トラックのマルチトラック・レコーダー「TEAC 144 Portastudio」を発売した。この機種は当時広く用いられていたカセットテープを利用する点、ミキサーを内蔵していた点、安価(10万円以下)な価格設定が特徴で、音楽制作を試みるアマチュアにとって好都合であった。以後他社からも類似製品が多数発表された。 これらの機種の多くが、カセットテープの限られた性能をできるだけ上げるため次のような特徴を持っていた。 クロムテープ(CrO2、別称ハイポジション、後のTYPE IIテープ)専用設計 倍速(9.5cm/s) 片面仕様。一般的なカセットレコーダーが、オーディオカセットテープのA面の左右ステレオの2チャンネルの同時の再生/録音と、あるいは、リバース面(B面)の逆方向左右2チャンネルの同時の再生/録音(オートリバース機能のない機種は、一度テープを取り出して左右を入れ替えて再度セットする。回転方向は同じ)であるのに対し、これらのカセットMTRは、A・B面計4チャンネル分のトラックを、同時に一方向で使用する。 ノイズ・リダクション・システムの採用。dbx や Dolby-C などにより、ダイナミックレンジや信号対雑音比(S/N比)を稼いだ。 ミキサー部はバス切替機能をもっており、トラック毎に、テープバス/ミキサの入力バスの切替を行う独立したスイッチや、再生/録音機能、再生音の定位を決めるパンポットなどの基本的な機能を有したものであった。後には、カセット・オーディオ・テープを使用した8トラック製品も現れた。このミキサー+MTRのスタイルは非常に革新的で、現在[いつ?]単体MTRというと、録音再生機単体(モジュラ型)よりミキサ内蔵型のものが大多数になっている程である。
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