オナガカマハシフウチョウとは? わかりやすく解説

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オナガカマハシフウチョウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/13 07:35 UTC 版)

オナガカマハシフウチョウ
イラスト
ディスプレイを行うオス
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: フウチョウ科 Paradisaeidae
: オナガカマハシフウチョウ属
Epimachus
: オナガカマハシフウチョウ
E. fastuosus
学名
Epimachus fastuosus
(Hermann, 1783)
和名
オナガカマハシフウチョウ
英名
Black Sicklebill

オナガカマハシフウチョウ (学名:Epimachus fastuosus)は、スズメ目フウチョウ科に属する鳥類の一種[1][2][3][4]

名前の由来

属名Epimachusは「臨戦態勢をとった」の意[5]。湾曲した嘴を刀剣に例えたもの[6]

種小名fastosusは「誇り高き」ないし「傲慢な」の意[6][7]

分布

ニューギニア島[1]

より具体的には、ウェイランド山脈(Weyland Mts)からビスマルク諸島、クラトケ山脈(Kratke Ranges)、ボサビ山(Mt Bosavi)にかけての地域と、べワニ山脈(Bewani Ranges)からトリチェリ山脈(Torricelli Ranges)にかけての地域、そしてドベライ半島とワンダメン半島(Wandammen Peninsula)に分布する[6][7]

形態

オス

全長は110cm[6][7][8]、うち尾羽は47cm[7][8]、嘴の長さは70-86mm[7]、体重は250-318g[7][8]。全体的に黒色で、所々に光沢がある[7]。頭部は緑色から青色[7]。翼は一部が赤紫色を帯び、先端は青色から紫色[7]。背面の一部は青色から緑色[6]。虹彩は赤い[7][8]。胸元に斧のような形の羽毛が発達する[8]。若鳥はメスに似ており、下腹部に縞模様がある[7][8]

メス

全長は55cm[6][7][8]、嘴の長さは66-89mm[7]、体重は160-255g[7][8]。オスと比較するとかなり小型で、尾羽も短い[7]。また、羽毛に光沢が無い[7]。全体的に茶色で、腹部全体に縞模様がある[6][7]。頭頂は赤褐色[7]。虹彩は茶色い[8]

生態

主に、標高1800m-2150mの山地に生息する[7][9]ギルウェ山では標高2860mあたりでも発見されている[7]

鳴き声は「ウィックウィック(WHIK WHIK)」などで、けたたましい[7]機関銃の発射音のような声を出すこともあるという[8]

オスは葉の付いていない、高い枝の先端でさえずる[7]。羽ばたきは遅い[7]果実節足動物を食べる[7]。オスは単独で、メスは複数で採餌することが多いと考えられている[7]。ほぼ毎月、換羽する[7]

オスが行うディスプレイは、翼を人間の腕のように掲げた姿勢を取りつつ、幹に対して垂直の姿勢を維持して体を真っ直ぐに伸ばし、脚を曲げて上下に揺れながら、同時に鳴き声を発するというもの[6][7][8]

ランの茎やコケを底に敷いた巣をつくる[7][8]。繁殖についてはよくわかっていないが、一夫多妻で、抱卵や子育てはメスのみが行うとされている[8]。卵や雛に関する知見はまだ無い[6]

人間との関係

主に生息地の破壊や、美しい羽毛を目的とした狩猟により個体数は減少している[7][8][9]

脚注

  1. ^ a b 荒俣宏『普及版 世界大博物図鑑4 鳥類』平凡社、2021年2月27日、387頁。ISBN 978-4582518641 
  2. ^ オナガカマハシフウチョウ”. ジョン・グールドの鳥類図譜. 玉川大学教育博物館. 2025年10月13日閲覧。
  3. ^ 標本YIO-64834の詳細と画像”. 山階鳥類研究所. 2025年10月13日閲覧。
  4. ^ Epimachus fastosus (Hermann, 1783)”. GBIF. 2025年10月13日閲覧。
  5. ^ The Helm dictionary of scientific bird names [electronic resource : from aalge to zusii]. Helm. (2010). p. 147. https://archive.org/details/Helm_Dictionary_of_Scientific_Bird_Names_by_James_A._Jobling/page/n147/mode/1up 
  6. ^ a b c d e f g h i Black Sicklebill”. Australian Museum. 2025年10月13日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac Phil Gregory; Richard Allen (2020-3-10). Birds of Paradise and Bowerbirds. Helm. pp. 96,248-251. ISBN 978-0713660272 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n Black Sicklebill”. Birds of the World. 2025年10月13日閲覧。
  9. ^ a b Black Sicklebill”. IUCN Red List. IUCN. 2025年10月13日閲覧。

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