オゾン生成のプロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 07:17 UTC 版)
各反応素過程は以下の4つの式で示される。h はプランク定数で、hν は振動数 ν の光の光子が持つエネルギーを表している。(それぞれの式における ν は、酸素分子やオゾン分子の吸収帯に対応する太陽からの紫外線の振動数に当たる。) 自然界でオゾンを生成する唯一の反応 O + O 2 + M ⟶ O 3 + M {\displaystyle {\ce {O\ + O2\ + M -> O3\ + M}}} 生成したオゾンは紫外線を吸収して解離 O 3 + h ν ⟶ O + O 2 {\displaystyle {\ce {O3\ + h\nu -> O\ + O2}}} 上記2式の反応速度は非常に早く、O3 と O は平衡状態にあり、両者の和である奇数酸素 Ox = O3 + O は変化しない。Ox を変化させる次の2つの反応は、比較的ゆっくりと進む。 生成反応 O 2 + h ν ⟶ 2 O {\displaystyle {\ce {O2\ + h\nu -> 2O}}} 分解反応 O + O 3 ⟶ 2 O 2 {\displaystyle {\ce {O\ + O3 -> 2O2}}} この反応のメカニズムは1930年にチャップマンによって考え出され、チャップマン機構と呼ばれる。大気中のオゾンは、その90%以上が成層圏に存在し、オゾン層では濃度は2〜8 ppmと、地表の0.03 ppmと比較すれば非常に高い。 酸素分子の密度は、空気の密度に比例するので高度が高くなるほど低くなる。他方、酸素分子が吸収する紫外線は、太陽入射光の強度に比例するため高度が高いほど強い。オゾン生成はこれら高さと共に増大する量と減少する量の両方に依存するので、オゾン密度はある高度で極大となり、成層圏中部の20〜30 km付近がそれにあたる。
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