エネルギー保存の観点から
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 21:36 UTC 版)
「馬蹄形軌道」の記事における「エネルギー保存の観点から」の解説
エネルギー保存の法則の観点から、物理的には等価であるが異なる見方でこの現象を解釈することもできる。これは、時間に依存しないポテンシャル場を運動する物体の総エネルギーは保存されるという古典力学の理論である。ここで保存されるのは E = T + V で、E は総エネルギー、T は運動エネルギー (常に正の値)、V はポテンシャルエネルギーで負の値を取る。質量 M の天体からの距離 R ではポテンシャルエネルギーは V = -GM/R であり、固定された座標系から見ると、天体の背後の領域では V は増加し、前方では減少する。しかし総エネルギーが低い軌道は周期が短いため、惑星の前方をゆっくりと移動する天体はエネルギーを失ってより短い周期の軌道に落下し、そのため惑星からゆっくりと前方へ遠ざかる、あるいは惑星から「はじかれる」ような動きを見せる。惑星の後方をゆっくり動く天体はエネルギーを獲得し、軌道が大きくなり速度は遅くなるため、惑星から後方へ遠ざかり、同様に弾かれるような動きをとる。そのため小天体は惑星の前方と後方を移動し、この軌道を重力的に支配している惑星に接近しすぎることはない。
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