エネルギーベースおよびフラグメントベースの手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 06:25 UTC 版)
「タンパク質構造予測」の記事における「エネルギーベースおよびフラグメントベースの手法」の解説
de novoまたはab initioのタンパク質モデリング手法は、「最初から」、つまり過去に解明された構造ではなく(直接)物理的な原理に基づいて、三次元のタンパク質モデルを構築することを目的としている。タンパク質フォールディングを模倣する方法や、確率的(英語版)手法を用いて可能性が高い解を探索する方法(適切なエネルギー関数の大域的最適化(英語版)など)など、さまざまな方法が考案されている。これらの方法は膨大なコンピュータ資源を必要とするため、これまでは小さなタンパク質に対してしか行われていなかった。大規模なタンパク質の構造を新たに予測するには、より優れたアルゴリズムと、強力なスーパーコンピュータ(IBM Blue Gene、NEC SX、MDGRAPE-3など)や分散型コンピューティング(Folding@home、Rosetta@Home、ヒトプロテオーム・フォールディング・プロジェクト(英語版)など)が提供する大規模な計算資源が必要になる。これらの計算上の障壁は広大なものであるが、構造ゲノミクスの潜在的な利益のために(予測法または実験法による)、de novo(ab initio)構造予測は活発な研究分野となっている。 2009年の時点で、50残基のタンパク質をスーパーコンピュータ上で1ミリ秒の間、原子ごとにシミュレートすることができる。2012年の時点では、新しいグラフィックカードとより洗練されたアルゴリズムを備えた標準的なデスクトップコンピュータで、同等の安定状態のサンプリングが可能である。粗視化モデリング(英語版)を使用すると、はるかに大きなシミュレーションのタイムスケールを得ることができる。
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