エドゥアール・リスラーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > エドゥアール・リスラーの意味・解説 

エドゥアール・リスラー

(エドゥアルト・リスレル から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 09:37 UTC 版)

エドゥアール・リスラー
Édouard Risler
基本情報
生誕 1873年2月23日
 ドイツ帝国 / バーデン大公国バーデン=バーデン
死没 (1929-07-22) 1929年7月22日(56歳没)
フランスパリ
ジャンル クラシック
職業 ピアニスト

ジョゼフ=エドゥアール・リスラーリスレル、Joseph-Édouard Risler, 1873年2月23日 - 1929年7月22日)は、ドイツ出身のフランスピアニスト

生涯

リスラーはドイツ帝国に属するバーデン大公国バーデン=バーデンに生まれた。母はドイツ人で、父はアルザス出身であった。リスラーはパリ音楽院に在学中の1883年から1889年にかけて、ルイ・ディエメテオドール・デュボワ、エミール・デコンブらに師事した。1889年のパリ万国博覧会でのリスラーの演奏がテオ・ヴァンゲマン英語版によって捉えられており、これは音楽録音の最初期の物の1つとなっている[1]1891年エマニュエル・シャブリエと親しく付き合うようになったリスラーは、この年長の作曲家の元を訪れたり書簡をやり取りしたりするようになった[2]。その後、彼はドイツにおいてカール・クリントヴォルトオイゲン・ダルベールベルンハルト・シュターフェンハーゲンらに学んで学習を完了させた。彼は1896年にはバイロイト祝祭劇場においてコレペティートルを務めた。

リスラーはまもなくフランス出身の重要なピアニストとして、ドイツ・ロマン派並びに同時代の音楽にも寛容だった当時の音楽界で頭角を現していった。彼は大規模な演奏会シリーズを複数催している。1905年の10月から12月にかけてサル・プレイエルで行われたベートーヴェンの32曲のピアノソナタ全曲演奏会や、ショパンの全曲演奏会、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』全曲演奏会などである。

1906年以降、リスラーは後進の指導に精力を注ぐようになり、1923年にはパリ音楽院の教授に就任した。彼はエミール・ジレット(Émilie Girette)と結婚した。アマチュア歌手であった彼女のために、ガブリエル・フォーレは歌曲を数曲作曲している。リスラーはレイナルド・アーンと日常的に手紙を送り合う仲で、1908年4月にはサル・エラールにおいてアーンの『ソナチネ ハ長調』を初演した。リスラーはパリに没した。

リスラーはシャブリエから『気まぐれなブーレ』[注 1]エンリケ・グラナドスからは『ゴイェスカス』より「窓辺の語らい (Coloquio en la reja)」の献呈を受けている。また、リスラーはリヒャルト・シュトラウス交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』のピアノ編曲を遺している[注 2]

初演した楽曲

リスラーは下記のような著名な作曲家の作品の初演を担っている。

録音

リスラーの遺した録音は1917年にPathéによってなされた18曲から成り[3]、全曲が2007年Marston Recordsより『Édouard Risler: Pathé Paper-Label Discs, Paris 1917』というタイトルで発売された。また、Symposiumレーベルからも2002年に全曲がリリースされており、Piano Libraryからも1999年に大部分が含まれる形で出されている。

脚注

注釈

  1. ^ リスラーはこの作品をピアノ2台用に編曲し、アルフレッド・コルトーと共に1911年5月11日に初演している。
  2. ^ 2002年7月26日にLa Roque d'Antheron International Piano Festivalで収録されたフランチェスコ・リベッタのライブ録音が発売されている。VAI DVD 4375

出典

  1. ^ Stephan Puille, "Prince Bismarck and Count Moltke Before the Recording Horn: The Edison Phonograph in Europe, 1889-1890" Thomas Edison National Historical Park. Translated by Patrick Feaster. German original (with foreword): "Fürst Bismarck und Graf Moltke vor dem Aufnahmetrichter: Der Edison-Phonograph in Europa, 1889-1890" Retrieved February 5, 2012
  2. ^ Delage R. Emmanuel Chabrier. Fayard, Paris, 1999.
  3. ^ http://www.marstonrecords.com/risler/risler_liner.htm Retrieved 17-06-2010.

外部リンク





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エドゥアール・リスラー」の関連用語

エドゥアール・リスラーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エドゥアール・リスラーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエドゥアール・リスラー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS