ウィンザーの陽気な女房たち (オペラ)とは? わかりやすく解説

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ウィンザーの陽気な女房たち (オペラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 10:27 UTC 版)

『ウィンザーの陽気な女房たち』
オットー・ニコライ作曲のオペラ
オットー・ニコライ(1842年)
他言語名 The Merry Wives of Windsor
劇作家 サロモン・ヘルマン・フォン・モーゼンタールドイツ語版
言語 ドイツ語
題材 シェイクスピア
ウィンザーの陽気な女房たち
初演 1849年3月9日 (1849-03-09)
ベルリン王立歌劇場(現在のベルリン国立歌劇場
サロモン・ヘルマン・フォン・モーゼンタールドイツ語版

ウィンザーの陽気な女房たち』(ドイツ語: Die lustigen Weiber von Windsor)は、オットー・ニコライが作曲した3幕からなるオペラサロモン・ヘルマン・フォン・モーゼンタールドイツ語版によるドイツ語台本ウィリアム・シェイクスピアが著した同名の戯曲ウィンザーの陽気な女房たち』(The Merry Wives of Windsor )に基づく)による。1849年3月9日にベルリン王立歌劇場(現在のベルリン国立歌劇場)にて初演されたが、当時は不評だった。初めて称賛を受け、何回も演奏されるようになった頃には、ニコライは既に故人であった。

あらすじ

作曲から初演まで

作曲

ニコライは1845年から1846年にかけてこの音楽の旋律の大部分を完成させ、この作品の初演が延期になった1849年にスコアを調整した。ドニゼッティの『Rosmonda d'Inghilterra』、自身の『Gildippe ed Odoardo』と『Il templario』、メルカダンテの『Il proscritto』などの作品を1843年にドイツ語の台本に改訂して『Die Heimkehr des Verbannten』として出版してさらなる賞賛を得たことで、ニコライはシェイクスピアの劇に目を向けるようになった。『ウィンザーの陽気な女房たち』が発表されるまでは、『Die lustigen Weiber von Windsor』は彼の唯一の代表作として知られていた。4つのイタリア語のメロドラマでも成功を収めていたが、本作の成功により忘れられた存在となった。 ニコライはモーゼンタールのドイツ語台本を調整するのに自信を持っていた。

初演

ベルリン国立歌劇場

当初は上演してくれる劇場を探すのに大変な苦労をした。1849年3月9日にようやくベルリンのベルリン王立歌劇場(現在のベルリン国立歌劇場)で作曲者自身の指揮のもと初演されたが、最初は不成功に終わり、わずか4回の公演で中止となった。しかし、ニコライの死後間もなくしてからは好評的な意見が増え、急激に演奏回数も増え始めた。台本とドラマツルギーは現代の観客にとっては時代遅れとも評されているが、それでもなおこの作品は今日まで標準的な人気を保っている。また、音楽としての質が非常に良いため、この作品はより定期的に演奏されるようになっている。

初演に先立つ1847年4月1日には、ニコライ自身が創立したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により、作品の抜粋および序曲が演奏されていた。

登場人物

登場人物(喜歌劇・ドイツ語台本内での名称) 声部 初演時の配役、
1849年3月9日
(指揮: - )
アリス・フォード(フルート夫人)
フランク・フォードの妻
ソプラノ
マーガレット・ペイジ(ライヒ夫人) メゾソプラノ
サー・ジョン・フォルスタッフ バス
フェントン テノール
フランク・フォード/ウィンザーの市民(フルート氏) バリトン
アン・ペイジ(アン・ライヒ/ライヒ氏の娘) ソプラノ
ジョン・ペイジ/ウィンザーの市民(ライヒ氏) バス
スレンダー テノール
ドクター・カイアス (with high ossias) バス
合唱: ウィンザー市民の男女、隣人、妖精、亡霊、虫けらども

ニコライの代表作

音楽・音声外部リンク
Here on archive.org - ロベルト・ヘーガー指揮、Chorus and Orchestra演奏。

同時期のドイツ語による喜歌劇 ジングシュピールの中でもユーモアと新鮮さにおいて傑出している。 喜歌劇の作曲者として先輩であるアルベルト・ロルツィングの作風に似るものとされているが、形式的にはより簡潔であり、ヴェルディの『ファルスタッフ』のような笑わせるような見せ場は少ない。旋律が美しく、活発でいかにも喜劇的な作品である。ヴェルディ作品に比べ上演機会は(特にドイツ圏以外では)多くないが、序曲は有名で、器楽の演奏会曲目に用いられることもある。

この序曲は短編ミュージカル映画『ウィンザーの陽気な女房たち 序曲』のインスピレーションとなった。エドウィン・ルメア(Edwin Lemare)はオルガン用に編曲を行った。ピーター・リチャード・コンテ(Peter Richard Conte)はワナメイカー・オルガン英語版のスコアを書き写した。

楽器編成

フルート2(ピッコロ持ち替えあり)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ(1対)、大太鼓シンバルトライアングル、鐘、弦5部(ヴァイオリンソロあり)、ハープ

演奏時間

約2時間10分(各幕50分、45分、35分)

著名なアリア

  • "Horch, die Lerche singt im Hain" ("Hark! The lark sings in the grove") (フェントン)
  • "Als Büblein klein an der Mutter Brust" ("As a little rascal on my mother's breast") (フォルスタッフ)
  • "Nun eilt herbei" ("Now hurry here") (フルート夫人)
  • "Wie freu' ich mich" ("How pleased I am") (フォルスタッフとフルート氏)
  • "O Süsser Mond"(月の出(おお、甘美なる月よ)、合唱)

参考文献

  • ニコライ 喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(音楽之友社刊のミニスコア OGT1041、1978年)

関連項目

外部リンク




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