インセンティブ・オイル
【英】: incentive oil
同義語: ボーナス原油
1980年ころ、第二次石油危機後の石油が売り手市場で価格は上昇しつつあり、しかもサウジアラビアの原油がほかよりも相対的に割安であった時にサウジアラビア政府は、経済開発のための大型プロジェクト実施にあたって先進国からの参加を促進するために、参加外国企業に対し投資額に応じて、投資奨励として、Petromin より原油または製品を供給することにした。これにより供給された原油または製品をインセンティブ・オイルという。 その具体的条件は当時次のようにいわれた。 (1) 契約の対象: SABIC(サウジアラビア基礎産業公社)との間で合弁事業契約を結んでいる企業。 対象プロジェクト:石油化学 7 、輸出向け製油所 4 、潤滑油プラント 1 。 (2) 出資に対する原油または製品価格量:石油化学プロジェクト=500b/d/百万ドル。輸出向け製油所プロジェクト=250b/d/百万ドル+当該製油所の製品生産量× 50 % (3) 期間:15 年 (4) 引取方法:供給開始初年度は、(2) の引取数量の 20 %、次年度以降各 20 %増量して、5 年目以降 100 %引き取りとなる。 このインセンティブ原油の供給量は当初、合計 1 百万 b/d 程度と見込まれていた。しかし、原油市場はその後急変して買手市場となり、そのインセンティブがインセンティブでなくなり、実際にはこれをかなり下回っているものと推定される。 |

ボーナス原油

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