イブン・ジュバイルの旅行記における記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 07:16 UTC 版)
「ナースィル」の記事における「イブン・ジュバイルの旅行記における記述」の解説
イブン・ジュバイルはナースィル在位中にバグダードを訪れており、実際にナースィルを目撃している。以下は、イブン・ジュバイルの旅行記におけるナースィルの評判と容姿についての記述である。 『カリフは時々チグリス河で船に乗っているのを見かけられるし、また、砂漠に狩猟に出かけることもある。カリフは人々に気づかれないように質素に出かけるが、お忍びであるにもかかわらず、カリフの名声はいや増すのである。けれども実は、カリフは人前に姿を現し、人々に親愛の情を示すのを好んでいるのである。このようなカリフの性格は大衆に喜ばれている。彼の治世は安楽で、公正で、人々は良い生活を送っているため、身分の上下を問わず彼のために祈りを捧げている。』 『われわれはカリフが西岸の見晴し台の前にいるのを見かけた。カリフは見晴らし台から降りてきて、船で東岸の上流にある邸宅まで河を遡るところであった。彼は若年で、顔一面に短い赤毛をたくわえ、姿麗しくまた見目麗しい色白の肌をしており、背丈は中くらいで、好ましい容貌をしている。年の頃はおおよそ25歳。金の刺繍を施したカバーウ様に裾の長い白衣をまとい、頭には金糸で刺繍した、周囲にテンやそれ以上に高価な毛皮をつけた帽子を戴いていた。カリフは本性を隠すためにこのようなトルコ人の衣服をまとっていたのだが、いかに覆いをかけても、太陽は隠しとおせない。」 先代: ムスタディー アッバース朝 1180年 - 1225年 次代: ザーヒル
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