イスラム法における異教徒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 00:13 UTC 版)
「イスラム教と他宗教との関係」の記事における「イスラム法における異教徒」の解説
イスラムの聖典クルアーンには、多神教に対する明確な敵意が記述されており、彼等に対するジハードが説かれている。しかし一方で彼等が和平を望み、イスラム教徒に害を及ぼさない場合、平和的関係を結んでも良いとされている。また他の一神教徒に対してはイスラムの支配下において一定程度の自由を保障した隷属民であるズィンミーとして処遇すると記されており、ジズヤを払う場合その信仰を保護しなければならないとされている。後にイスラム法学者の中には多神教徒に対してもズィンミーとしての権利を保障するべきだという意見が広まり、現実の政治に活用された。 ズィンミーとムスリムの婚姻に関しては、ムスリム男性はズィンミーの女性と結婚できるが、ズィンミーの男性はムスリムの女性と結婚することは出来ない。ズィンミーの男性がムスリムの女性と性的関係をもった場合、男性は処刑される。また、非ムスリムの女性がムスリムに改宗したが、その夫が改宗しない場合、結婚の解消を強制される。 注意しなければならないのは、以下に述べるとおり現実のムスリムと非ムスリムとの関係は極めて多様であり、良くも悪くもイスラム法どおりではないことである。とりわけ近現代では全てのイスラム教徒が旧来のイスラム法やクルアーン理解を信仰しているわけではないため、上記規定に批判的なムスリムも少なくない。故にステレオタイプに基づく理解は避けるべきとされている。
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