アメリカ民政府の公文書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 03:28 UTC 版)
コザ市長時代の大山は、米軍との関係を損ねることなく、市政を運営する必要があった。しかし、時として公然と米軍批判を展開する態度をとることがあった。このような態度をとる大山を、アメリカ軍やアメリカ民政府はどう見ていたのか。大阪市立大学教授の山崎孝史は、科学研究費助成事業(課題番号:17520545)で、アメリカ国立公文書館と沖縄県公文書館に収蔵されているアメリカ民政府の公文書からアメリカ民政府が大山に対してどのように対応していたかを調査した。 山崎孝史の研究によると、アメリカ民政府渉外局には大山の「反米」言動を報告する文書がいくつかあり、大山の言動を監視していた。一部には大山市政と対立する桑江朝幸など琉球民主党の陣営からの報告が含まれていた。アメリカ民政府は、大山に対して再三警告を与えていた。またアメリカ民政府は、不要となった軍物資の譲渡に関しても、譲渡先の自治体ないし組織関係者の政治的指向性(反米か親米か)が検討され、民政府渉外局はアメリカ軍に批判的な場合に関しては、支援を成約する方針があったと推定されている。 アメリカ民政府の圧力にも関わらず、大山は1966年にコザ市長に3選された。しかしアメリカ民政府の大山市政への圧力は弱まることがなく、可能な限り大山市政に対する市民の信用を損ね、親米勢力の伸長を画策していた。
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