アハ体験とは? わかりやすく解説

アハ体験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/21 22:25 UTC 版)

アルキメデス風呂入浴している時の「ひらめき」(エウレカ)の瞬間を描いた16世紀木版画
間違い探しパズルが、よくアハ体験の事例として取り上げられている。

アハ体験ドイツ語: Aha-Erlebnis)とは、ドイツ心理学カール・ビューラー英語版が提唱した心理学上の概念で、未知の物事に関する知覚関係を瞬間的に認識する事を指している。洞察を研究する心理学では、認知過程が完了した後に現れる特徴として、その体験がしばしば現れるとされる。

最新のアハ体験への理論的根拠は4つの特徴から導かれる。第一に、アハ体験は突然起こる。第二に、問題解決がスムーズに行われる。第三に、アハ体験は肯定的な感情を引き起こす(ビューラーは歓喜 (Lustbetonung) としている)。第四に、閃いた人はその閃きの正確さに疑いを持たない。

しかし、これらの4つの特性は、研究上では、分割されておらず、お互い結びついている。と言うのは高度な円滑な処理は、突然それが予想外に起こると、肯定的感情が昂る様な評価に導くのみならず、判断に対してより高い正確性、若しくは真偽の洞察をももたらすためである[1][2]

一般的に、アハ体験はドイツ語で “Der Groschen ist gefallen”(硬貨が落ちる = 腑に落ちる)と言われる事がある[3]

アハ体験は普遍的に見えるが、多くの言語で対応する表現が無い。その為、ドイツ語の概念が他の言語に取り入れられた[4]。 フランスの精神分析家ジャック・ラカン (Jacques Lacan) の鏡像段階論でも採用されている[5]。英語圏ではエウレカ効果 (Eureka effect) や aha! moment という表現が同義語として使われている。

脚注

  1. ^ Topolinski, S., & Reber, R. (2010). Gaining insight into the "Aha"-experience. Current Directions in Psychological Science, 19, 402-405.
  2. ^ Wray, H. (2011, January). Aha! The 23-Across Phenomenon. APS Observer, 24(1).
  3. ^ GROSCHEN (…) Wendungen, Redensarten, Sprichwörter der Groschen fällt [bei jemandem] (umgangssprachlich: jemand versteht, begreift endlich etwas: jetzt ist auch bei ihr der Groschen gefallen!; bei einem Warenautomaten wird durch Herabfallen der eingeworfenen Münze der Mechanismus ausgelöst, der die Ware freigibt): - Duden Online(誰かがやっと理解する、合点する;硬貨を挿入する事により自動販売機の仕掛けを起動させ、商品を提供させる事から)-
  4. ^ Kjell Kühne (2008): Das Aha-Erlebnis. Universität Heidelberg.
  5. ^ <pdf>The mirror stage as formative of the function of the I as revealed in psychoanalytic experience, 16th International Congress of Psychoanalysis, Zurich, July 17, 1949 (PDF, 269 KiB)

参考文献


アハ体験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:02 UTC 版)

茂木健一郎」の記事における「アハ体験」解説

アハ体験 (a-ha! experience) とは、「わかったぞ」という体験を表す、英語圏広く使われている言葉であるとともに人間の脳不思議な能力を表すキーワードである。類似の言葉として、「ひらめき」や「創造性」がある。アハ体験により、0.1秒という短時間で脳の神経細胞いっせいに活動し世界見方変わってしまう。 アハ体験をするためのPlayStation Portable向けゲームソフトソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 アハ体験』(茂木監修)が2006年6月22日セガ(後のセガゲームス)から発売され同年11月30日には続編の『ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 みんなでアハ体験!』も発売され

※この「アハ体験」の解説は、「茂木健一郎」の解説の一部です。
「アハ体験」を含む「茂木健一郎」の記事については、「茂木健一郎」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アハ体験」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アハ体験」の関連用語

アハ体験のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アハ体験のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアハ体験 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの茂木健一郎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS