アイヌによる伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 14:37 UTC 版)
火口から噴煙を上げ、火山活動の影響で草木が生えない雌阿寒岳の姿を見たアイヌ民族は、「山同士の争いに巻き込まれて槍で突かれ、傷口から膿を流している」と解釈し、さまざまな伝説を造り上げてきた。 以下はその例である。 雄阿寒岳と雌阿寒岳は夫婦の山だったが、雄阿寒岳は留辺蘂の奥にあるポンヌプリ(小さい山)を妾として囲っていた。それを知った魔の神・ニッネカムイが「山のくせに妾を持つのは生意気だ」と、雄阿寒はおろか罪科の無い雌阿寒まで槍で突き刺した。雌阿寒の火口は、その傷跡だという。 大雪山系のオプタテシケ山と雌阿寒岳は夫婦山だった。ところが喧嘩別れして、雌阿寒は実家に帰ってしまった。いつか恨みを晴らしてやろうと機会を窺う雌阿寒は、ある時ついに遠くのオプタテシケ目掛けて槍を投げつけた。それを見た十勝のヌプカウシ山が驚いて止めようとして、片方の耳を削られた。騒ぎを知ったオプタテシケは槍を投げ返して雌阿寒に命中させたので、今でも雌阿寒は傷から膿を流しているのだ。なお、槍を止めようと立ち上がったヌプカウシの居場所に水が溜まったのが然別湖である。
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