まちバスとは? わかりやすく解説

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まちバス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 23:44 UTC 版)

まちバス(金沢駅東口にて)

まちバスは、石川県金沢市の中心部で運行されている路線バスの名称である。金沢商業活性化センターが運営し[1]、運行を西日本ジェイアールバスに委託している。「金沢ショッピングライナー」の別名もある。

概要

2007年6月より金沢商業活性化センター(金沢市出資の第3セクター)[1]と金沢市が補助金を支出して試験的に運賃無料で土曜・日祝日に運行を開始した。運行は西日本JRバス金沢営業所に委託され、同営業所に所属する既存の一般路線車を利用していた。

期間延長を行いながら2008年1月14日まで運行した後、同年4月5日より本格運行を開始(当初は2009年3月29日までの運行予定、のち延長)されている。試験運行時より時間延長や増便が図られ、1乗車大人100円、小人50円という運賃も徴収されるようになった。このときから全面水色の車両(西日本JRバス平城山派出所(2008年3月廃止)から移籍のいすゞ・エルガミオ、平城山地区の巡回バスとして使用)が「まちバス」専用車両として使われるようになった[2]

損失が出た場合には市や商店街が補填することになっていたが、2008年度は結果として黒字になった。2009年3月時点では、一便あたりの乗客数は約62人で、無料運行時とほぼ同数という[3]

なお、2008年7月の北鉄バス「兼六園シャトル」(2021年3月で廃止)の運行開始以降も、当路線の乗客数は、大幅に落ち込まず堅調であることが報道されている[3]

2009年春に行われた調査によると、まちバスの利用者は、富山県や福井県などの隣県を始めとした「県外」からの利用者が4割近くを占めているという[4]

2016年1月30日、運行開始以来の累計乗客数が200万人を突破した[5]

2025年3月末、バス運転手の不足や車両の老朽化により西日本JRバスが運行業務から撤退予定[6]

2025年4月5日より北鉄バスに運行業務を移管する予定[7]。移管に伴って名称を「金沢ショッピングバス」に変更の上、1乗車大人210円、小人110円に値上げ。北陸鉄道Icaが使用可能となる一方でPiTaPa交通系ICカード全国相互利用サービス対応)は使用不可となる[7]

運行日・運行時間・運賃

  • 土曜日日曜日祝日のみ運行。年末年始1月1日元日)のみ運休。
  • 9時40分から17時40分までは20分間隔[8]、18時00分から20時00分までは30分間隔[8]で運行(始発停留所基準、いずれも運行開始時点)。
  • 一周35分[10]
  • 中乗り前降りで運賃は後払い。1乗車大人100円、小人50円[10]
    • 2015年3月14日より運行委託先の西日本JRバスがPiTaPaを導入し(交通系ICカード全国相互利用サービス対応)、まちバスでも利用可能となった[11][8]ほか、2019年2月2日よりAlipayWeChatPay[12]での決済を開始している。ただし、北陸鉄道のICaは使用不可[13]。回数券・定期券などは発行しておらず、利用できない。
    • 北陸鉄道が発行する金沢市内1日フリー乗車券は、同じく金沢市内を走る西日本JRバスならびに金沢ふらっとバスとは異なり、使用不可である[14]

運行経路

金沢駅を起点とした概ねラケット状の運行経路となっている。バス停の名称は2021年4月時点。また各バス停の数字は停留所のナンバリングを示す。

  1. 金沢駅兼六園口(東口)・金沢フォーラス
  2. 武蔵ヶ辻近江町市場
    • 北鉄バスの武蔵ヶ辻・近江町市場2(いちば館前)、JRバスの武蔵ヶ辻・近江町市場バス停と同じ位置である[15]
  3. 南町尾山神社
  4. 香林坊大和アトリオ
    • 北鉄バスの香林坊4(アトリオ前)、JRバスの香林坊バス停と同じ位置である[16]
  5. 片町タテマチ
    • まちバスと同じく金沢商業活性化センターが運営するプレーゴの前に停車する[16]
  6. タテマチ広場
  7. 本多町歌劇座鈴木大拙館
    • 北鉄バスの本多町(金沢歌劇座前)バス停と同じ位置である[17]
  8. 金沢21世紀美術館兼六園(真弓坂口)
    • 北鉄バスの広坂・21世紀美術館4(石浦神社向い)バス停と同じ位置である[17]。ここで時間調整を行うことがある。
  9. 香林坊東急スクエア日銀
    • 北鉄バスの香林坊7(日銀前)バス停と同じ位置である[16]
  10. 南町・尾山神社
  11. 武蔵ヶ辻・金沢エムザ
    • 北鉄バスの武蔵ヶ辻・近江町市場5(エムザ黒門小路前)バス停と同じ位置である[15]
  12. リファーレ
    • 北鉄バスのリファーレ前バス停と同じ位置である。
  13. 金沢駅兼六園口(東口)・金沢フォーラス
    • 金沢駅東口バスターミナルの降車場に到着する。

脚注

  1. ^ a b c d “金沢周遊の「まちバス」が運行再開 23日から”. 日本経済新聞. (2020年5月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59474670S0A520C2LB0000/ 2021年12月12日閲覧。 
  2. ^ 『永久保存版JRバス30年の軌跡』グラフィス、2019年3月27日、21頁。ISBN 978-4-86493-214-1 
  3. ^ a b 運賃100円でも「まちバス」黒字 金沢市と商店街、損失補填取りやめ”. 北國新聞 (2009年3月7日). 2009年3月11日閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ まちバス利用、4割が県外客 金沢TMO調査 富山は6割が買い物目的”. 富山新聞 (2009年8月16日). 2009年8月16日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ 100円まちバス200万人突破 金沢駅と中心部結ぶ”. 北國新聞 (2016年1月31日). 2016年1月31日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ “金沢周辺、縮むバス網JR・まちバス撤退、北鉄・8路線廃止検討 来年3月”. 北國新聞. (2024年11月26日). https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1586637 2024年11月27日閲覧。 
  7. ^ a b まちバス、北鉄が継承 運賃は100円から210円に 金沢周遊、4月再スタート」『北國新聞社』2025年2月13日。2025年2月13日閲覧。
  8. ^ a b c 100円の金沢周遊「まちバス」利用者、新幹線開業で前年比150%に”. 金沢経済新聞 (2015年8月28日). 2019年4月20日閲覧。
  9. ^ 運行時間について(令和4年7月1日~)”. 金沢商業活性化センター (2022年6月29日). 2022年10月18日閲覧。
  10. ^ a b 時刻表”. 金沢商業活性化センター. 2022年10月18日閲覧。
  11. ^ 北陸新幹線開業にあわせ平成27年3月14日より金沢地区の路線バスで交通系ICカードサービスPitapaがご利用いただけます。小銭いらずでスムーズな降車が可能に。” (PDF). 西日本ジェイアールバス (2015年3月14日). 2015年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月12日閲覧。
  12. ^ 「金沢の『まちバス』スマホ決済導入 春節へ中国の2サービス」2019年2月1日付北國新聞朝刊5面
  13. ^ ICカードが利用できる”. 金沢商業活性化センター. 2022年10月18日閲覧。
  14. ^ 金沢市内1日フリー乗車券”. 北陸鉄道. 2022年10月18日閲覧。
  15. ^ a b [1]
  16. ^ a b c [2]
  17. ^ a b [3]

関連項目

外部リンク




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