蜂群崩壊症候群
英語:Colony Collapse Disorder、CCD
主に養蜂所で飼育しているミツバチが、突然大量に失踪して行方不明になる現象。巣の付近に失踪の手がかりとなる痕跡(たとえばハチの死体や襲撃された跡など)を何ら残さず、女王蜂も幼虫も巣に残したまま、巣全体の30%~90%の働き蜂が姿を消す。
蜂群崩壊症候群の発生原因は、2014年現在まで、特定されていない。農薬使用、気候変動、都市化した環境、疫病など、さまざまな要因が考えられているが、農薬の影響(による帰巣能力の喪失)の可能性が最も濃厚と見られている。
蜂群崩壊症候群は米国をはじめ、ヨーロッパ、インド、ブラジル、日本などでも確認されている。2006年に米国でミツバチの蜂群崩壊症候群が発生した際には、同国で飼育されていたミツバチの実に約4分の3が消えたとされる。欧州連合は2013年12月、蜂群崩壊症候群の主要因と考えられるネオニコチノイド系殺虫剤の使用を禁止する決定を下している。
関連サイト:
原因は殺虫剤か、ミツバチの窮状 - National Geographic News
ミツバチに有害な農薬禁止=EU - 時事通信
ほうぐんほうかい‐しょうこうぐん〔ホウグンホウクワイシヤウコウグン〕【蜂群崩壊症候群】
読み方:ほうぐんほうかいしょうこうぐん
飼育されているミツバチが突然、大量に姿を消す現象。巣箱には孵(ふ)化(か)した幼虫や食料が残され、女王バチと羽化直後の働きバチがわずかに残っている場合が多い。巣箱の周囲では死骸は発見されない。2006年に米国で問題化し、欧州などでも同様の事例が報告されているが、原因は解明されていない。CCD(colony collapse disorder)。コロニー崩壊症候群。
[補説] 日本でも同時期に養蜂場でミツバチが大量死する事例が相次いで発生しているが、巣箱の周辺でミツバチの死骸が発見され、死亡が確認されていることから、蜂群崩壊症候群とは異なる現象と考えられる。日本での大量死の原因として、ミツバチに寄生するダニやネオニコチノイド系殺虫剤の影響が有力視されている。
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