ひだか型巡視船とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ひだか型巡視船の意味・解説 

ひだか型巡視船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/15 01:09 UTC 版)

ひだか型巡視船
琉球警察向けに建造された「ちとせ」(後に海上保安庁に編入されて「のばる」に改名)
基本情報
艦種 130トン型PS[1]
命名基準 山の名前
運用者  海上保安庁
就役期間 1962年[1] - 1996年
前級 ARB型
次級 つくば (特130トン型)
要目
常備排水量 169トン[1]
総トン数 130トン
全長 33.8メートル (111 ft)[1]
水線長 32メートル (105 ft)
最大幅 6.30メートル (20.7 ft)[1]
深さ 3.3メートル (11 ft)[1]
吃水 1.77メートル (5.8 ft)
主機 池貝鉄工6MSB31S
ディーゼルエンジン×1基
推進器 スクリュープロペラ×1軸
出力 700仏馬力(PS)[1]
速力 12.5ノット[1]
航続距離 1,000海里(12ノット巡航時)[1]
乗員 17名
兵装 12.7mm単装機銃×1基
※一部艇
テンプレートを表示

ひだか型巡視船(ひだかがたじゅんしせん、英語: Hidaka-class patrol vessel)は、海上保安庁巡視船の船級。分類上はPS(Patrol vessel Small)型、公称船型は130トン型[2][3]

来歴

1950年代の海上保安庁では、巡視船としては270トン型PSが最小のものであり、水深が浅く狭いためにその運用が難しい港湾では、はつなみ型などの23メートル型PCが配備されていた。しかし浦河港などにおいては、巡視艇では荒天時の活動が困難であった[2]

このことから、比較的狭い港湾でも運用でき、かつ、耐航性に優れた小型巡視船として開発されたのが本型である[2][3]

設計

耐航性を考慮してフレーム形状は角型とされ、船体構造も堅牢なものとなっている。また小規模な港湾への配備が前提にされたことから、主機関は、現地で保守・整備が容易なよう、350トン型と同じ池貝鉄工6MSB31S中速ディーゼルエンジンを1基のみ搭載し、スクリュープロペラ1軸を駆動する方式とされた[2]。4番船以降は主機関の遠隔操縦が可能となったほか、6番船は化学消防機能を備えており、推進器も可変ピッチ・プロペラとされた[3]

なお海上保安学校の練習船を兼務していた11番船「くらま」を含めて、本型のうち3隻は12.7mm単装機銃を搭載していた[3]

同型船一覧

計画年度 # 船名 竣工 解役
昭和36年[1] PS-32[1] ひだか[1] 1962年
4月23日[1]
1988年
5月6日
昭和37年[1] PS-33[1] ひやま[1] 1963年
3月13日[1]
1988年
3月5日[4]
PS-34[1] つるぎ[1] 1988年
3月5日[4]
昭和38年[1] PS-35[1] ろつこう[1] 1964年
1月31日[1]
1991年
2月14日
PS-36[1] たかなわ[1] 1964年
1月27日[1]
1990年
1月4日
PS-37[1] あきよし[1] 1964年
2月29日[1]
1989年
10月14日
昭和39年[1] PS-38[1] くにみ[1] 1965年
2月15日[1]
1994年
1月6日
PS-39[1] たかつき[1] 1965年
3月30日[1]
1992年
3月5日
昭和40年[1] PS-41[1] かむい[1] 1966年
2月15日[1]
1994年
1月6日
昭和41年[1] PS-43[1] あしたか[1] 1967年
2月10日[1]
1994年
9月30日
PS-44[1] くらま[1] 1967年
2月28日[1]
1995年
8月4日
昭和42年[1] PS-45[1] いぶき[1] 1968年
3月5日[1]
1996年
12月26日
PS-46[1] とうみ[1] 1968年
2月20日[1]
琉球警察
救難艇として建造
PS-49[1] ちとせ
→ のばる[1]
1963年
10月10日[1]
1988年
3月5日[4]

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be 「資料・海上保安庁」『世界の艦船』 通巻第379集、1987年5月号、海人社、1987年5月1日、93-108頁。 
  2. ^ a b c d 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、70-71頁。ISBN 4-425-77041-2 
  3. ^ a b c d 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、78頁、NAID 40005855317 
  4. ^ a b c 「海上保安庁ニュース」『世界の艦船』 通巻第392集、1988年4月号、海人社、1988年4月1日、162頁。 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ひだか型巡視船」の関連用語

ひだか型巡視船のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ひだか型巡視船のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのひだか型巡視船 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS