はと

世界宗教用語大事典

はと 【鳩】

ハト目ハト科。キリスト教世界で霊魂・精霊の象徴とし、天啓の訪れや昇天、聖霊降臨などの表現ともする。とくに白鳩は聖人の魂に擬せられ、殉教者の口からこれが飛び立つと信じられた。魔女も鳩には変身できないとされ、この羽を入れた布団に寝かせると重病人も死なないとする。古代ギリシア・ローマでは占いに使用。旺盛な繁殖力から豊饒の象徴ともする。オリーブの枝をくわえた鳩は平和の象徴だが、これはノアの洪水後、陸地が再現したかどうかを調べるため、箱舟から放たれた鳩がオリーブの小枝をもち帰ったとの『旧約聖書・創世記』の説に由来する。日本では八幡神の使いとする。