能道具図小柄
武蔵国江戸江戸後期 長さ97.8mm幅14.5mm 赤銅魚子地高彫据紋色絵 上製落込桐箱入 |
細かく粒子の揃った漆黒の魚子地に、高彫で横笛、中啓、侍烏帽子という能道具が描かれている。肉取りに変化をつけた高彫はそれぞれ素銅と金、朧銀に金、下地と色合いを変えた青みを帯びた赤銅に金の色絵が施され、高い技術に裏打ちされた端正な彫り口を鮮やかな色彩が一層引き立てている。侍烏帽子は「翁」を演じる時のみ、囃方と地謡方が身に着ける第一礼装の被り物である。武家社会と深い関わりを持ちながら発展した能は、武将としての必修の教養でもあったという。吉岡因幡介家は後藤家、安田家などと共に徳川幕府の抱え工として江戸時代を通じて繁栄した名門。優れた技術と格調高い作品世界は海外にも愛好者が多い。 |
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