特別危機管理銀行(とくべつききかんりぎんこう)
経営が破たんし債務超過に陥った銀行を一時的に国が管理して、金融の分野における信用秩序を維持する。金融危機に対応するための手法のひとつ。
銀行などの金融機関の経営が破たんし債務超過に陥っている場合、政府は金融危機対応会議を開き、特別危機管理銀行として一時国有化することを決定できる。このとき、預金保険法102条第3号の認定をし、必要な措置(第3号措置という)を実施する。
一時国有化は、経営破たんした銀行のすべての株式を取得することによって行う。破たんした銀行の株式は、債務超過のため価値がないので、価格ゼロ円で発行済み株式をすべて強制取得する。一時国有化は、取得した株式を受け皿となる別の金融機関に売却するまでの一時的な措置。
政府は、一時国有化を決めると、特別危機管理銀行の役員を選任し、経営を監督する。また、旧経営陣の経営責任を明確にするため、民事上および刑事上の法的措置を取ることが義務づけられている。
政府は29日、首相官邸で金融危機対応会議を開き、債務超過に陥った足利銀行の破たんを認定した上で、預金保険法に基づく初の特別危機管理銀行とすることを決めた。
銀行の一時国有化には、金融再生法に基づく日本長期信用銀行などの例がある。ちなみに、りそなグループへの公的資本注入で使われた第1号措置は、自己資本不足に陥っても債務超過ではない経営危機の銀行が対象。債務超過に陥り、経営破たんした銀行に対する第3号措置とは異なる。
(2003.12.01掲載)
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