船主責任制限法
主要海運国であるわが国も世界の趨勢{すうせい}に順応して、1957 年の船主責任条約を批准し、これを国内法化したものが「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律」である( 1975 年:昭和 50 年 12 月 27 日公布)。この法律の施行に伴い、わが国の責任制限は、従来商法に定めてあった委付主義から金額主義へと移行した。しかしながらこの法律の下では責任制限額があまりにも低く、被害者保護という社会的見地からその額の引上げが必要となり、1976 年(昭和 51 年)の「海事債権の制限に関する条約」(未発効)を先取りして批准するとともに、この法律の改正が行われた( 1984 年:昭和 59 年 5 月 20 日施行)。この改正による新責任制限法の下では、責任制限額はその算定の基礎となる計算単位およびトン数を次のように変えることにより、その額は大幅に引き上げられた。(1) 計算単位の変更:(従来)金フラン単位(改正)SDR(国際通貨基金の特別引出権)単位。(2) トン数の変更:(従来)条約トン数(改正)船舶のトン数の測度に関する法律( 1982 年:昭和 57 年 7 月 18 日施行)に基づくトン数。 |

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