石油奨励計画(カナダの)
【英】: petroleum incentives program
略語: PIP
1980 年 10 月、自由党のトルドー政権下にあったカナダ連邦政府は、石油産業のカナダ化を促進しつつ国内のエネルギーの供給保証を確立するため「国家エネルギー計画」(NEP)を発表した。 この資本のカナダ化促進の主柱ともいうべきものが PIP であり、連邦政府(ただし 1981 年 9 月の連邦政府とアルバータ州間の合意により、アルバータ州内の事業については同州政府)が探鉱・開発費の何割かを補助金として交付するものである(カナダ資本の比率が高いほど大きな補助率を享受できる)。補助率は、(1) Provincial Land(州政府管轄地)の探鉱、(2) 同開発、(3) CanadaLand(連邦政府管轄地)の探鉱、(4) 同開発、(5) カナダ資本比率、(6) 該当年、の各項の組み合わせで決定され、石油会社は連邦政府(アルバータ州においては同州)に承認されたコストの 10 ~ 80 %を補助金として受け取ることができる。ちなみに、PIP に基づく助成金支出額は、1983 年 14.6 億カナダ・ドル、1984 年 17 億カナダ・ドルであった。1984 年 9 月に成立した Mulroney 新政権は NEP の見直しを表明、1985 年 3 月、連邦政府と産油州との間で西部協定(The Western Accord)が結ばれ、そのなかで PIP は 1 年以内( 1986 年 3 月 31 日まで)に廃止されることが決定した。なお Canada Land での既存の探鉱協定に関する PIP は 1987 年 12 月 31 日までの特例とされた。 |

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