すずむし吟社とは? わかりやすく解説

渡辺銀雨

(すずむし吟社 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 10:21 UTC 版)

渡辺 銀雨(わたなべ ぎんう、1909年9月27日 - 1985年9月25日)は、川柳作家である[1][2]

経歴

秋田県五城目町の生まれ。本名は彦次郎。本家にあたる書店に勤務していた20歳のころに、母親に勧められて川柳を始める。当時五城目町には女性の川柳の会があって、母は熱心な会員だった[1]

みずからも川柳にのめり込んでいった銀雨は、1936年に10数名の二十代の仲間を集めて川柳の会「すずむし吟社」をつくり、川柳句誌『すずむし』を発刊した。以来、没するまですずむし吟社の代表者を務めた[1][2]

戦中の軍隊生活をはさんで1945年には湖東印刷所を創業。翌年には湖東新聞を創刊している[1][2]。事業のかたわら戦後も川柳作家としての活動を続け、川柳誌『宮城野』、『さいたま』、『時の川柳』などの年度賞を受賞する。川柳作家として全国的に知られた存在になった銀雨は、各地の川柳大会の審査員や選者を依頼されるようになり、秋田魁新報社読者文芸の川柳選者も長年つとめた[1]

1976年には川柳誌『すずむし』を月刊化している[1]

晩年は後進の育成や同好者を増やすことにも力を注ぎ、婦人会や中学校に川柳クラブをつくることを奨励し、指導にあたった。1979年五城目町功労者表彰[1][2]

五城目町内の城主屋敷跡である四渡園には銀雨の川柳句碑がある。刻まれている「太陽に問えば 明日があるという」の句は、兵隊時代に疲れ果てて草むらに仰向けに倒れ込んだときに詠んだもの。この句碑が建った10日後に銀雨は76歳で没した[1]

すずむし吟社

すずむし吟社(すずむしぎんしゃ)は、秋田県五城目町川柳団体である[3]。会誌として雑誌『川柳すずむし』を発行している[4]

すずむし吟社は、1936年に渡辺銀雨を中心とする10名以上の20代の川柳作家が集まって創設された[5]。初代会長・責任者は渡辺が務めたが、初期の川柳の指導には貝田乱声が当たった[5]太平洋戦争の影響で、一次は会員が3名まで減少したが、戦後に再興した[5]。会誌の『川柳すずむし』は戦前の1941年に創刊し[6]1976年から月刊になった[5]。秋田県五城目町は、地方の川柳団体が月刊誌を発行するのは当時異例のことであり、大きな話題になったとしている[5]

句会は毎月20日頃に開催され、30名ほどの参加者が集まるという[7]

参考資料・脚注

  1. ^ a b c d e f g h 五城目町教育委員会 編『すばらしい先輩たち 第3集
  2. ^ a b c d 秋田魁新報社 編『秋田人名大事典』ISBN 978-4870202061
  3. ^ 『全国各種団体名鑑』全国各種団体名鑑連合会、1999年、682頁。 
  4. ^ 『俳句現代2001年4月号』角川春樹事務所、2001年、300頁。 
  5. ^ a b c d e すばらしい先輩たち 渡辺銀雨” (PDF). 2021年4月13日閲覧。
  6. ^ 『日本雑誌総覧』出版ニュース社、1988年、398頁。 
  7. ^ 川柳すずむし吟社”. 全国川柳協会. 2021年4月13日閲覧。

すずむし吟社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 23:46 UTC 版)

渡辺銀雨」の記事における「すずむし吟社」の解説

すずむし吟社(すずむしぎんしゃ)は、秋田県五城目町川柳団体である。会誌として雑誌川柳すずむし』を発行している。 すずむし吟社は、1936年渡辺銀雨中心とする10名以上の20代川柳作家集まって創設された。初代会長責任者渡辺務めたが、初期川柳指導には貝田乱声当たった太平洋戦争の影響で、一次会員が3名まで減少したが、戦後再興した会誌の『川柳すずむし』は戦前1941年創刊し1976年から月刊になった秋田県五城目町は、地方川柳団体月刊誌発行するのは当時異例のことであり、大きな話題になったとしている。 句会毎月20日頃に開催され30名ほどの参加者が集まるという。

※この「すずむし吟社」の解説は、「渡辺銀雨」の解説の一部です。
「すずむし吟社」を含む「渡辺銀雨」の記事については、「渡辺銀雨」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「すずむし吟社」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「すずむし吟社」の関連用語

すずむし吟社のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



すずむし吟社のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの渡辺銀雨 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの渡辺銀雨 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS