衆議院の優越(しゅうぎいんのゆうえつ)
国会には2つの院がある。衆議院と参議院をあわせて国会と言う。ただし、衆議院と参議院には、いくつかの点で違いがある。
衆議院の任期は4年だが、参議院の任期は6年だ。衆議院の方が任期が短くなっている。衆議院は解散することがある。そうすると、4年経たないうちでも、衆議院はあたらしいメンバーと入れかわる。衆議院の方がメンバーの回転がはやいことがわかる。
衆議院の定員は480名だが、参議院は定員が252名だ。衆議院のほうが、定員が多くなっている。衆議院には、だいたい参議院の2倍くらいの人がいる。
まとめると、衆議院のほうが任期が短く、解散がある。さらに、衆議院は参議院よりも定数が多くなっている。つまり、衆議院は国民の意思を、より強く反映するようにできている。この性格の違いから、政治のいろいろな面で衆議院は参議院よりも強くなっている。たとえば、法律や予算審議、首相選定、条約承認で衆議院に優越がある。
その代わり、参議院には「良識の府」としての役割がある。参議院は国会で「常識的な意見」を述べることが期待される。変な法律に対し「考え直したら?」と言うわけだ。これによって衆議院の行き過ぎを防ぐ。
衆議院優越の例
■法律の制定…参議院で否決されても、衆議院で3分の2以上で再議決すると、衆議院の意見が通る。
■予算制定、首相指名、条約承認…衆議院が先に審議する。また、両院協議会を開いても意見が一致しない場合は、衆議院の議決が通る。
■内閣不信任の議決…衆議院のみに認められる。
(2000.11.08掲載)
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