公式参拝(こうしきさんぱい)
内閣総理大臣(首相)が公的な形式で靖国神社に参拝することを指す。特に、首相が個人として参拝する「私的参拝」ではなく、首相という立場で参拝することを強調する。
首相による公式参拝が行われたのは、1985年の中曽根内閣のときだ。終戦の日にあたる8月15日に、中曽根康弘・首相(当時)は公用車を使って靖国神社に参拝した。このとき、拝殿で「内閣総理大臣 中曽根康弘」と記帳した上、供花料の名目で公費から3万円を支出している。
参拝を終えた中曽根首相は、「内閣総理大臣の資格で参拝した。いわゆる公式参拝である」と明言し、私的参拝ではないときっぱり否定した。これに対し、靖国神社の公式参拝は日本の軍国主義への回帰志向だとして、中国などの近隣諸国は猛反発。国内でも、違憲訴訟が提起されるなど波紋を広げた。
このとき以来、首相が靖国神社に参拝するときには、私的参拝か公式参拝かが問題とされるようになった。しかし、参拝形式を変えたり、終戦の日を避けたりして、公式参拝を明言することはなくなった。
公式参拝にこだわる小泉首相は、内外にある批判に熟慮して対応するという考えだが、靖国神社という政治問題よりも、目の前にある経済問題のほうを優先して熟慮してもらいたいという市場の声もある。
(2001.08.07更新)
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