筋弛緩剤(きんしかんざい)
筋弛緩剤は、外科手術などに使用される薬剤である。通常では、筋肉は伸縮を繰り返している。筋弛緩剤では、医療上の目的から、筋肉の収縮を選択的に抑える。
患者の気管にチューブを差し込むときなどにも、筋弛緩剤は用いられる。気管が広がり、挿入時の患者の苦痛を和らげることができる。
筋弛緩剤は非常に危険性が高く、使用方法を誤ると、心停止や呼吸停止などの事態を引き起こすことがある薬剤である。このため、薬事法により「毒物」としての指定を受けている。
したがって、医療関係者は筋弛緩剤の取り扱いには十分注意しなければならない。他の薬品とは分けて保管し、保管場所を施錠することが薬事法で決められている。さらに、筋弛緩剤を医薬用に処方した場合、薬剤師が使用量を台帳などに記入することになっている。
筋弛緩剤は、外国では、人間の安楽死のさいに用いられることがある。また、大阪府「愛犬殺人事件」では、殺人の道具として用いられた。
(2001.01.15更新)
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