あかだ・くつわとは? わかりやすく解説

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あかだ・くつわ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 22:18 UTC 版)

津島神社東鳥居前の3店舗
左(北)から松儀商店・総本家角政・あかだ屋清七
左が「くつわ」で右が「あかだ」

あかだおよびくつわは、愛知県津島市にある津島神社周辺に伝わる菓子[1]。2つは個別の菓子であるが、津島市制定の祖先の遺産には「あかだ・くつわ」の名称で掲載されている[2]。現在では津島神社東鳥居前に並んだ3つの店舗が製造している[3][4][5]

あかだ

あかだは、米の粉を熱湯で練って球状にしたものを、菜種油で揚げて作る[1][3][5]。非常に硬いことが特徴で「日本一硬いお菓子」とも紹介される[4][6]

名称の由来としては、2つの説がある[1][2][4][5][7][6]。古くからあかだくつわを出す近江屋の先祖の弥三郎が、後述する空海の故事に基づいて津島神社の春秋縣祭りの供米を用いて菓子を作り、これを「 縣団子 あがただんご」と呼んでいたものが転訛した[8]、あるいはサンスクリット語丸薬を意味する「 阿伽陀 あきゃだ」が転用されたと言われる。

起源は諸説あるが、広く知られる説では平安時代とされる[3]から戻った空海が、布教の全国行脚の途中で津島神社に立ち寄った際、疫病の流行に苦しむ地元の人々のため、唐で学んだ薬の製法で米団子の油揚げを作って神前に供えると、疫病が治まったと伝えられる[3][4][5][6][7]。この際に作ったものが「あかだ」の原型と伝わる。食べることで暑中の厄病、および年中の邪気をはらう悪霊退散の利益のある、参拝者向けの神饌菓として伝承している[1][2][7]

古くは一種の薬品として病人に用いられたともいわれ、太平洋戦争終結後の食糧難時代には代用食として好まれたともいわれる。[要出典]

くつわ

くつわ(総本家 あかだ屋清七)

くつわは、もち米うるち米を合わせた粉で熱湯で練って蒸し、砂糖黒ゴマを加えてこより状に伸ばし、二重の輪にしたものをごま油で揚げて作る[3][5][9][7]。米粉のみのあかだと比べて味が強く、柔らかい[4][5]。神馬の くつわに似ていたことから「くつわ」と名づけられた[5][9][7]

江戸時代末期の天保11年(1840年)ごろに誕生したものとされるが[3]尾張藩主の徳川宗春江戸幕府倹約令に背いて庶民の産業文化の開発を奨励したことがきっかけになったとも伝わる[7]。津島神社の和魂社例祭で行われる神事「茅の輪くぐり」で使用される「茅の輪」を模して考案され、それ以来、あかだと並ぶ津島神社の神饌菓となった[5][9][7]

脚注

出典

  1. ^ a b c d あかだ』 - コトバンク
  2. ^ a b c あかだ・くつわ”. 津島市の歴史・文化遺産. 2024年3月13日閲覧。
  3. ^ a b c d e f ふるさと名物応援パンフレット”. 津島市. 2024年3月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e ナニコレ!?みやげ 愛知県の巻 あかだ・くつわ”. たびよみ. 2024年3月7日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 加藤愛アナが愛知県津島市の愛されフード『あかだくつわ』を調査! 硬いけどクセになる! 手間ひまかかった御利益ありのお菓子”. CBCテレビ. 2024年3月7日閲覧。
  6. ^ a b c あかだ”. 総本家 あかだ屋清七. 2024年3月7日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 商品案内”. 総本家 角政. 2024年3月7日閲覧。
  8. ^ 新村出 編『茶道事典』(六六版)東京堂出版、東京都千代田区神田錦町3-7、1956年4月3日、48頁。ISBN 4-490-10007-8 
  9. ^ a b c くつわ”. 総本家 あかだ屋清七. 2024年3月7日閲覧。

外部リンク



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